企業名を冠することも、競技場の制約も自由に
トヨタ自動車が後押しする名古屋グランパスは、今日時点でJ2の5位につける。トヨタ自動車の協賛で、ワールドカップ招致のために造られた豊田スタジアムは可動席屋根を備えている。ただし、この屋根は国土交通省の規定により、毎秒10m以上の風速が記録された場合は、屋根を動かすことができない。建設されて、5年余りで屋根の開閉部分に故障が見つかり、修理に10ヶ月の期間を要した。2015年度以降は、原則として屋根を開けたままとすることとなった。これは、試算では屋根の修繕費や維持費が2032年度までに約109億円がかかる。そのため、2015年度からは経費削減の一環として屋根を原則開けるとしており、開閉屋根の撤去も検討している。愛知県内の刈谷市と豊田市の2市が熾烈な誘致合戦を行ったすえできたスタジアムだ。しかし、その後日韓共催となりワールドカップの候補地から落ちて、試合は開催されなかった。壮大な無駄の良い例だ。日本サッカー協会がいくら囃し立てても、身の丈に合ったスタジアムしかできない。まして地域密着型でチームを育成するなら、陸上競技場で試合をするしかない。地方の野球場でも、サッカー場にしろ、外野席は芝生席だ。それで何が悪いのだろうか。日本サッカー協会面々の頭が悪いとしか言いようがない。そもそも日本でのサッカー人気は低迷し、良い選手は海外でプレーする。Jリーグが始まった当初のような大物選手は、予算の関係で招聘できなくなった。企業スポンサーにとって、自社の名前が前面に出せないサッカーチームでは宣伝効果は薄い。企業にとっては毎日企業名を連呼してもらえば、これほど宣伝になることはない。プロ野球のようにすれば赤字でも球団を持ってくれる企業はいる。今や欧州ではチーム名に企業名(スポンサー名)を冠するのは、「ボーダフォン」・マクラーレン(F1)、「レッドブル」・ザルツブルク(サッカー)など、珍しくもない。オランダの強豪クラブPSVアイントホーフェンのPSVとは、Philips Sport Vereniging の頭文字。バイヤー・レヴァークーゼンのバイヤーは、世界的製薬会社バイエル社。日本サッカー協会も女子のLリーグでは企業名を冠している。事実、サッカースタジアムにはスポンサー名が冠されていて理念とは矛盾する。企業チームがチーム名から企業名を外してしまったら費用対効果はない。日本では接触競技でないため、毎日大観衆を集めて試合ができる野球というプロスポーツが人気だ。こんな簡単なことが、日本サッカー協会の幹部にわかっていないとは悲しい。愚生のM市にもJ2の地域密着型チームがある。悲しいかなスポンサーや競技場に恵まれずにJ1への道は程遠い。日本のサッカー人気も一向に盛り上がらないことを考えれば、頭の固い川渕氏を排除して、企業名を冠することも、競技場の制約も自由にすべきだ。
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