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2017年7月10日 (月)

風が吹けば桶屋が儲かるだろうか

Images FRBは、金利政策を利上げに転じ、早ければ7月か9月にも保有資産の圧縮を決める。ECBのドラギ総裁も、金融緩和の縮小を示唆した。当面、量的緩和を続けそうな日本を除くと、米国債で1600兆円、ドイツ国債は280兆円、合計約1900兆円の国債の発行残高がある。こうしてばら撒かれた安全資産は、どうなるのだろうか。実際、どのような玉突き的な現象が起こりうるのだろうか。その兆候として、米国では「FANG」株と呼ばれる人気銘柄群の下落に表れている。日本のGPIFのような世界の年金基金が、資金運用のために横並び的にこれらの株を買い上げたためだ。「買うから上がる、上がるから買う」という循環で、株価は上昇した。年金運用を受託する投資顧問の保有額は、過去1年にFANG銘柄で1兆400億円、ソフトバンクなど日本の人気株10銘柄で9800億円買い増した。しかし、最近のように金利が上昇すれば、投資指標面での株の割高感が出てくる。次に、年金マネーが投資していた低リスク株も同様に割高感が出てくる。その結果、ECBのドラギ発言以降、ネスレ(スイス)や日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン、NTTやリクルートホールディングスといった低リスク株が下落した。安全資産を追及するのであれば、価格変動が小さく将来の収益が確実に計算できるものだ。つまり、米国債、最高格付けのドイツ国債、日本国債などがそれだ。その米国債とドイツ国債に金利上昇圧力がかってきたのだから、投資資金の向かう先も違ってくる。バブル崩壊とは言わないが、上がり過ぎた物の割高感は是正される。金融緩和以前、投資信託の王道と言えばグロソブだった。今では、低金利ですっかり人気が無くなったグローバル・ソブリン・オープンなどがそれだ。世界の主な低リスク株ETFに集まった運用資産残高は6月末時点で約3兆9000億円もあるという。仮に、ドイツ5年債利回りがマイナス金利からプラス圏に浮上すると、低リスク株からの資金の流出が本格化する。利回りを求めて低リスク株に集まった資金は、最も安全な国債に戻ろうとするだろう。金利の正常化で、次に何が起きるだろうか。日本は、日銀が景気の下支えのために超金融緩和策は今後も続く。円の金利は現在、海外の通貨と比べて格段に低い。こうした、低金利の円を調達(円借り)して、外国為替市場で米ドルや豪ドルといった金利の高い通貨に替える。そして、その国の株式や債券などに投資・運用する円キャリートレードが活発になる。その結果、円を売って、高金利の外貨を買うため円安要因となる。当然、個人が既に保有している円資産を外貨に交換して運用するのも同様だ。そう考える愚生は、レバレッジをかけたFXはやらないが、米国株を売却して保有する米ドル資産を当面、日本円に替えるつもりはない。円安になるだろうから、十分下がったところで円に戻したい。これが一番、安全な資産運用のような気がする。しかし、これまで「風が吹けば桶屋が儲かる」という風な発想で、何度も失敗している。今回は、どうだろうか。

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