虎の子の身銭を投げ入るには勇気がいる
画像処理用半導体(GPU:Graphics Processing Unit)大手、米エヌビディアは、ソフトバンクが5%株式を取得したことで話題になった。トヨタ自動車との協業で自動運転車の開発を共同で取り組む。エヌビディアと組む自動車メーカーはトヨタだけではない。独アウディ、独BMWや米テスラなどさまざまな自動車メーカーと提携を進め、自動車メーカーから引っ張りだこだ。エヌビディアのGPUは、従来テレビゲームなどで画像を映し出すために用いられてきた。そのGPUが、最新の人工知能(AI)技術、ディープラーニング(深層学習)での情報処理に適していることがわかった。そのため世界中から注目を集めている。2016年初め、同社の時価総額は約1兆7700億円。それが今では、約10兆円規模にまで急騰している。日本国内に当てはめれば、トヨタ(19兆4800億円)、NTT(11兆円)、NTTドコモ(10兆6000億円)、三菱UFJフィナンシャルグループ(9兆8800億円)、ソフトバンク(9兆6000億円)などに肩を並べる。トヨタに限れば、これまでグループ会社のデンソーを中心に、東芝などと日本連合を形成して自動運転技術の開発を進めてきた。今回、エヌビディアと提携したことで、グローバル連合とも開発を進める。狙いは開発リスクの分散だ。自動運転向けの技術革新は速く、どの技術が主流になるのか予見できないからだ。世界的に見れば、エヌビディア・グループと、半導体最大手であるインテル・グループが主導権争いを繰り広げている。トヨタはエヌビディアと提携したが、インテルとの連携も視野に入れている。一昨日のSBI証券における米国株式の売買額は、一位がエヌビディアで、2位が阿里巴巴(アリババ)だった。愚生は、ゲーム主体が収益の柱だったため、中国政府から苦言を呈されたというテンセント株を全て売却した。その代わりに、何かを買おうと検討して株式欄を眺めてみた。記事や財務諸表を読んで、エヌビディアは申し分のない将来性のある株だった。そこで、愚生は端末から買い注文を入れたが、すぐに思いなおして取り消した。それは、愚生がコンピューターエンジニアだったことに起因するトラウマがあるからだ。エヌビディアの売上急増は、任天堂からの注文が一番の要因だろう。任天堂が発売したゲーム機スイッチは、売れ過ぎで注文しても手に入らない。ゲーム機のような変動が大きい需要を無視すれば、エヌビディアは自動運転やディープラーニングなど、サーバー向けが将来の柱だ。そこに、いったい何個のGPU(Graphics Processing Unit)が使われるかと言えば、ゲーム機ほどの数は出ないだろう。そして、体力勝負となればインテルなどとの戦いになる。IT分野の世界は、一人勝ちが多い。そして、二位は存在しない。インテル、マイクロシフト、グーグル、フェイスブックなど勝ち組を散見すればわかる。トヨタが、デンソーやエヌビディア、インテルと二つも三つも保険をかけるのは、革新的な技術で出遅れたくないからだ。いずれにせよ、自動運転は小規模では実施されるだろう。しかし、道路法の整備や事故の責任所在などまで考慮すれば、まだまだこれからだ。愚生の勤務していたF社も半導体の開発や生産をしていた。半導体価格は需給が大きく作用し、設備投資に莫大な金がかかる。ひとつ投資時期を間違えれば会社が傾く。まさに、漁業と同じで海から網を引き揚げるまで、正確な損益の予測ができない。こう考えると、愚生の虎の子の身銭を投げ入るには少し勇気がいる。結局、エヌビディアは止めて、阿里巴巴と微博(weibo)の中国株を買った。株価は割高だとは思ったが、支那大陸に居住する多くの民と、中国政府の排他的保護政策は最も信頼できる。短期的なマイナスはあっても、長期保持で株価の続伸は確実に期待できる。愚生の投資行動は、やはり売国奴的だろう。そう思うと、軽々に中国人・朝鮮人の批判をしてはならないと自分を戒めよう。
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