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2017年8月23日 (水)

投資対象は日本ではなく、米国

Post_1295 今朝のモーサテ(日経系テレビ)に、「弱い日本の強い円」の著者、佐々木融氏が出演していた。愚生は、ここ10年ほど本のほとんどを図書館から借りて読む。しかし、佐々木氏の著者だけは、目から鱗の感動を受けて購入した。愚生の手にした本は、出版から一年を経ずに五刷だ。こういう分野では、ベストセラーに近い本ではないかと思う。その佐々木氏は、今後の経済指標で米国株高を受け手「リスクオン」というボードを掲げていた。昨日のモーサテでは、「ヘッジファンドの帝王」と呼ばれるレイ・ダリオが、「経済危機が延長線上に迫っていることは疑う余地がない」との悲観論が紹介されていた。ヘッジファンド・マネージャーとしてのポジショントークもあるだろうから、素直には受け取れない。ところが、今朝は米国株価指数が全て大きく上昇した。自立反発にしては、大きな上げだった。さすがに、株価上昇の納得のいく説明はなされていない。愚生に言わせれば、短期的な株価の変動など理由があるわけではない。ただ、株が期待を織り込んで上がるから上がったのだ。ところで、東京都の下町風景が急速に変わってきた。平屋の一軒家があった場所に、三階建ての木造住宅が2戸、3戸と立ち並ぶ。東京では、どこでも見られる風景だ。地主が亡くなり、相続で売りに出た土地に小さい戸建てがどんどん建つ。建築費を抑え、1戸あたりの販売価格は同じ広さの新築マンションより1000万円以上安い。そのせいで、実需層がタワーマンションなど高騰する新築マンションから、こうした戸建てに流出している。低金利も手伝って、建売業者を指す「パワービルダー」の業績は絶好調だ。2017年9月期の引渡件数は、2年前の約7割増で推移。しかし、東京都でさえ2025年に人口のピークを迎え、減少が始まる。昨今のマンション価格の上昇が度を越えてしまったため、投資需要もかつての勢いはない。立地条件の良い「億ション」など一部を除けば、上昇局面は終わったとの見方が多い。中古マンションも高騰していたが、実需が伴わず、いまでは値下げしないと売れない。大阪では、下落傾向がさらに鮮明だという。相続税対策で人気の賃貸アパート建設だが、2020年に宅地に用途転換される都市部の農地がアパート向けに大量に流れ込む。そして、巨大物件の建設が相次ぐ物流施設、東京五輪やインバウンド需要に備えるホテル、2018年以降に大都市で急増するオフィスも過剰供給の懸念が強い。そういう理由だろうか、市況の停滞感をかぎ取った東証REIT指数が年初から約8%も下がった。上がらない価格の先には、これまで繰り返された資産デフレが、また頭を横切る。愚生に船端ではなく100キロ先を見て投資しろと言われれば、売り上げ減や人口減で桝が縮小する場所には行かない。株に投資なら、大きく売り上げが伸びている分野や企業、不動産なら人口増や実需が増えている地域だ。そう考えると、投資対象は日本ではなく、米国市場ではないか。

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