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2017年12月19日 (火)

ゼネコン大手4社の入札談合事件に思う

H00041_fig011 数日前までは、リニア中央新幹線工事を巡る不正受注は大林組の問題だった。しかし、捜査が進むにつれて、ゼネコン大手4社の入札談合事件に発展した。そのあおりで、東京地検特捜部と公正取引委員会は、独占禁止法違反の疑いで鹿島と清水建設を家宅捜索した。近く大林組と大成建設も捜索する。リニア新幹線の総事業費は、9兆円に上る巨大プロジェクトとくれば、ゼネコン各社は鵜の目鷹の目だろう。過去の談合事件は自治体発注事業が多く、利益率の高い公共工事の価格をつり上げる狙いがあった。現在は、東日本大震災の復興工事や2020年東京五輪の再開発工事などを背景に4社は最高益を更新し続けている。この好況下の民間発注事業で、なぜ再び独禁法違反容疑で捜索を受ける行為をしたのだろうか。リニア新幹線は2027年の品川―名古屋間開業で、その総事業費が約5兆5千億円にもなる。そのうち、土木部門が約4兆円を占める。国内建設市場の縮小が避けられないなか最後の大型案件と呼ばれている。ところで、愚生の父は中堅ゼネコンに勤務していた。愚生の子供の頃は、黒部第四ダムの仕事で宇奈月に行ったきりだった。「黒部の太陽」でいえば、宇野重吉が演じた黒部トンネル、導水路トンネル、調圧水槽、トラムウェイ・ロープウェイ工事を請け負う第四工区担当のS工業に勤務していた。この工区は、すべての機械を人が担いで運び込も過酷な作業だったと聞く。父の話しでは、建設部門は計算できるため見積もり誤差が少なく儲けは薄い。一方、土木部門は山を掘って見なければわからないため、工事が順調であれば大儲けになるという。S企業も、黒四ダムで大儲けして飛躍した建設会社だった。その後、営業職に転じて北陸地方の建設談合の元締めをしていたという。1990年前後のゼネコン絡みの政財癒着の汚職事件では、多くの逮捕者が出た。母は会社を退職していなければ、父も逮捕者に名を連ねていたかもしれないと喜んでいた。確かに、愚生の小さい頃は盆暮れには、床の間に山のようにお歳暮が積まれていた。そして、現金代わりの商品券の束があった。お陰で愚生など、学生時代から仕立てたワイシャツを着ていた。建設業界は2020年の東京五輪後は、需要が冷え込むと見られている。そのため、リニア新幹線は五輪後も企業の安定した仕事を確保できる重要な事業の一つとされている。つまり、土木でしか儲からないから、リニアで大儲けしなければならない事情がある。リニア工事は、高い技術力が求められる難工事が多い。そのため、請け負えるのは大手ゼネコンに限られる。そういう背景から、各社間で工事受注の割り振りの合意があり、入札などの事業活動を相互で拘束していた。建設業界とは、相撲協会と同様に非常に古い体質なのだろう。愚生が子供心に不思議に思ったことがあった。それは、下請け会社ならまだしも、ライバル企業からの中元の挨拶や贈答がやたらと多かったからだ。「水清ければ魚棲まず」という故事がある。清廉潔白なのはよいことだが、あまり度がすぎると、しまいには友人を失い孤立してしまう。これに納得する愚生は、当事者であれば必ずお縄になったような気がする。

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