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2017年12月11日 (月)

身の丈に合った経営を怠ったことが倒産原因

Freetelsimspeed2017mar01 格安スマホ「FREETEL」を運営してきたMVNOのプラスワン・マーケティングは、2017年12月4日に民事再生法を申請した。2017年9月には、MVNO事業を分離し楽天モバイルへ譲渡したが、その後も経営は好転しなかった。どうも、派手な宣伝とは裏腹にプラスワン・マーケティングの経営は危機的状況にあったようだ。同社がヨドバシカメラなどに実店舗展開をしが、想定していたほどの顧客を伸ばせず、業績が大きく悪化した。同社の2017年3月期の売上高は100億5900万円なのに対し、営業損失は53億8800万円というから大赤字だ。楽天に売却した通信事業だけを見ても、総資産が18億7700万円に対して負債が30億9000万円と、既に危機的状況だ。採算が取れていなかった通信事業を買い取ってもらい、海外を中心に端末販売で事業の立て直しを図るも、資金繰りに行き詰ったようだ。プラスワン・マーケティングが多額の投資をしても、顧客を思うように獲得できなかった背景は、大手キャリアの攻勢だ。圧倒的な料金差で、MVNOに顧客を奪われ続けていた大手キャリアが反転攻勢に出たからだ。それは、大手キャリア自身が子会社を使って、料金を引き下げ、MVNOに流出する顧客を防いだ。薄利多売のMVNOにとって顧客の数を増やすことは死活問題だ。利益が薄ければ多数売らなければ、固定費が吸収できない。MVNOの売り上げが、いったいどれくらい低いのだろうか。公表されている数字では、プラスワン・マーケティングの通信事業の売上高は43億2900万円。回線数を40万とみなすと1回線当たりの年間売上高は約1万800円、ARPU(通信事業者1契約当たりの月間売上高)は約900円程度となる。一方、愚生が加入するMVNO大手のIIJ(インターネットイニシアティブ)の、個人向けの「IIJmioモバイル」に絞った契約数は、2016年度末時点での回線数は95万1000回線。年間の売上高は171億円となることから、1回線あたりの年間売上高は約1万8000円、ARPUは約1500円。NTTドコモの17年度3月期のARPUが4240円と比べると、IIJで3分の1程度、プラスワン・マーケティングは5分の1程度という安い価格帯での競争だ。現在、MVNOの数は700近くにまで上っていることから、MVNOは利益を削って通信料を下げざるを得ない。今回、プラスワン・マーケティングは顧客を増やすためにプロモーションや販売などに多額なコストをかけた。しかし、これが裏目に出て倒産した。現状、大半のMVNOは赤字すれすれに近いようだ。今後も資金不足で競争から脱落する企業は多いだろう。それを拾って楽天のような体力がある企業だけが生き残っていくのかもしれない。今回の倒産は、市場規模が拡大する段階から、整理・淘汰が進み再編される段階に移ったことを示す。パソ通時代からの老舗、ニフティやビッグラブといった企業は、既に大手キャリアのau傘下だ。大手キャリアやそのサブブランドと対等に戦えるだけの力を持つMVNOの出現は容易ではない。愚生はMVNOのIIJと契約している。しかし、息子や友人にはソフトバンクの低価格「ワイモバイル」を勧めた。それは、料金はMVNOより少し高めだが、販売やサポート面の充実度が大手キャリアと同等だからだ。いくらMVNOが安いと言っても自分でSIMを交換し、プロファイルをダウンロードするなど面倒だ。そして、一番問題は動作不安定な場合など、自分で障害をある程度切り分けなければならない。この問題を解消するために、プラスワン・マーケティングは多大な販売サポート費用を使ったのだろうが、見返りになる売る上げの伸びなかった。身の丈に合った経営を怠って、博打を打ったことが倒産の原因だ。売り上げが小さい時こそ、効率の良い経営が求められる。MVNOの生き残りには、連合合掌しか残されていない。なぜなら、ドコモから回線を借り受けての事業だから、効率経営で販売経費の圧縮しか施策がない。実店舗の出店や安価なスマートフォン開発など、それに見合った契約者数がなかったことが固定費を押し上げ倒産を加速した。新規事業の立ちあげは、圧倒的な差別化したビジネスモデルでもない限り不可能だ。その困難さだけは、愚生は企業人として痛感している。

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