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2017年12月15日 (金)

楽天が携帯電話事業への参入

Unnamed 昨日、楽天が携帯電話事業への参入を発表した。愚生は、今さら参入したところで採算がとれるのかと思った。愚生と同じ思いの投資家が多かったのか、14日の楽天の株価は一時、5%安とほぼ9カ月ぶりの安値を付けた。通信キャリアとして、13年前に参入したイー・アクセスは、資金繰りから経営不振となってソフトバンクに吸収された。これから全国に設備を設置するために、新たに有利子負債が総額6000億円も増加する。このことを懸念した株価の下落だろう。それでは、なぜ楽天が通信キャリア事業に参入するのだろうか。楽天自身は、ネット通販でアマゾン・ドット・コムなどへの対抗策としてのポイント費用の負担増や、クレジットカードなど金融事業の貸付金が拡大して営業キャシュフローの変動が大きい。一方、大手通信キャリアのNTTドコモ、KDDI,ソフトバンクグループはいずれも、過去3年間の営業キャッシュが1兆円前後で安定している。ドコモ、KDDIなどはフリーキャッシュフローも毎年数千億円のプラスとなって、手元資金で溢れている。要するに、通信キャリアはコンスタントで安定に資金が流入している。複写機メーカーがコピー枚数の使用料金を、ランニングコストとして後から安定に回収することと同じだ。もっと身近な例なら、イニシャルコストが大きい自動販売機や富山の薬売の「置き薬」と同じだ。初期投資は大きいが、後から安定した収入が得られる。これが実現できれば、楽天の営業キャシュフローが安定する。楽天としては、季節変動がない安定な収入源が魅力的に見えるのだろう。ソフトバンクなどは、これを梃として思いきった対外投資で成功を収めている。楽天には事業がトントンであっても、全体を見れば十二分に魅力的なのだろう。愚生は、最近、楽天収益の本業であるネット通販が伸びていないことに懸念をもっていた。楽天市場を中心とするEC事業は、アマゾンとの競争激化で収益性が悪化している。金融だけでは、楽天のこれからの企業業績が危ぶまれる。通信キャリア企業との戦いは大変だ。しかし、ソフトバンクを除けば残り2社は前身が公共企業だ。ぬるま湯体質が抜けきらない競争相手には、後発でも十分戦えると思っているのだろう。インターネットの通信速度は、更に高速化して5G(IOTの世界)へと移行する。楽天が参入する設備投資は、他社も同様にこれから投資が必要だ。問題は、投資に見合った十分な顧客を抱え込めるかが勝敗になる。楽天の参入で、通信料金は下がり3社で分け合ったパイを、4社で分け合うことになる。採算を二の次にしてでも、楽天は大手3社から顧客を奪い取りに行くという戦略をとるだろう。そのせいで、14日の株式市場で通信キャリア3社の株価がそろって2%強下がった。参入に失敗したイー・アクセスと違い、楽天は本業が他にあるためビジネスの懐は深い。愚生などもポイント付加が多いため、通常は楽天カードやヤフーカードを使う。それを広範囲で考えれば、楽天市場・楽天証券・楽天銀行・楽天トラベラーズ・楽天カードと楽天ポイントの使える範囲は広い。Tポイントのヤフーカードと同様に、通信キャリも混濁した世界での競争となるのだろうか。だだし、愚生はSIMフリー・スマホをMVNOのIIJで使用しているから当面は関係がない。

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