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2018年1月14日 (日)

不動産価格や賃料の下落はこれからも長く続く

As20170820000174_comml 意外な記事が目に留まった。2017年に公表された公示地価で、前年比の住宅地下落率ナンバーワンは、千葉県柏市大室地区だった。柏市といえば東京のベッドタウンだ。東京都心まで40キロ圏内の立地。ただし、大企業の工場や開発部・研究所は、川崎や横浜、そして神奈川県西部に偏在する。だから、この地域からでは通えない。製造業に関係はなく、新宿・渋谷近辺でもないならば便利な地域だ。グーグルマップで見ればわかるように、大室地区周辺は、新興の大規模開発分譲住宅地だ。1980年代前半から分譲が開始された。当時、多少裕福な中堅社員をターゲットとしに高級住宅街として売り出さした。30~40代で住宅を買えるようになったビジネスマンとその家族が、ほぼ同時に入居した。つくばエクスプレスが将来(2005年8月24日開通)できるということもあって、当時は人気が高かったのだろう。土地バブルを経て、それから35年前後が経過した。建物とともに、当時からの所有者も60~80代と高齢化した。お年寄りは、利便性を求めての都心回帰や駅前や駅から近いマンションに引っ越すケースが増える。その結果、この地域に限らず空き家が目立つ。多摩ニュータウンや横浜の港北ニュータウン、関西でも神戸から程遠い郊外でも同様だ。家を売却するにしても、元の家が老朽化しているうえ、駅から遠い場合などは、大幅に資産価値が下落している。そうなると売却すること自体が困難だ。愚生の知人でも、バブル期に柏市で分譲住宅を高値で購入した人は死ぬまで働いても返済できないと嘆く。資産価格の下落は、これから増加する空き家やマンションの空室に若年層が引っ越してこなければ今後さらに進む。そして、ますます空き家は増加し価値は下落する。千葉市西に広がる海浜埋め立て地域など、昭和40~50年代に建てられた団地群が壮観な形で眺められる。そこの住人は日本人ではなく、中国や東南アジア出身の外国人が多い。埼玉県蕨駅近くなど、多くのクルド人が住む地域は、ワラビスタンとまで呼ばれる。ところで、日本の人口は2050年には、現在より約3000万人減少する。国土交通省によると、多くの地域で、2010年と比べ2050年には人口が半分以下になるという。人口が増加するとみられる地点はわずか2%に過ぎない。東京五輪招致の成功などで、新築マンション販売価格の上昇は続く。背景には建築業界の人手不足や資材価格の上昇、一部地域の地価高騰などもある。しかし、都心の局地的な値上がりは一過性のものだ。不動産価格やマンションなどの賃料は、金利の動きや金融政策の動向など様々な要素に影響される。株と同様に、結局は需給で決まる。実需がなくなれば、多くの不動産価格や賃料は下がる。住宅価格の研究者によれば、2010年から2040年までの30年間で46%も価格が下落するという。つまり、2010年の時点で土地・建物を含め5000万円で売られていた住宅は、2040年にはなんと2600万円にまで下がる。半値になるのが平均とすれば、過疎の激しい地域や都心以外の不便な地域は、もっと激しい値下りに遭遇する。地価が維持・上昇する一部の地域があったとしても、ほとんどの地域で年数%下落し続ける。少子高齢化の日本では、大手デベロッパーが開発する東京駅、六本木駅、新宿駅、渋谷駅界隈以外の不動産投資などは成り立たないようだ。これから投資するなら、やはり活力がある自由主義経済が保証される米国しかない。不動産に限らず、株式投資も同様だろう。

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