不動産を持つなら東京3区(千代田区、中央区、港区)
総務省がまとめた住民基本台帳に基づく2017年の人口移動報告では、転入者数が転出者数を上回る「転入超過」は、東京23区や大阪市など一部地域へ集中している。その結果、大都市への人口集中に歯止めが掛からない。特に、東京23区への転入者の移動前の住所地は周辺3県(神奈川、千葉、埼玉)が4割を占める。そして、首都圏の都心回帰にとどまらず、東京23区は全国から人口を吸い寄せている。一方、全国の政令指定都市で最も人口が多く、川崎市と隣接する横浜市は逆に、近隣自治体への流出が目立っている。行政区別にみると港北区から分区した都筑区が1676人、緑区から分区した青葉区が1415人とそれぞれ大幅な転出超過だ。この地域は、1970年代から開発が盛んだった第四山の手と呼ばれた田園都市だ。踏切が一切ない東急田園都市線が走る人気の住宅地だ。愚生なども、上京したての会社寮がこの沿線だった。そのせいで、家庭を持ってからも10年近くこの沿線のマンションに住んだ。東京のベットタウンとして、都築区・青葉区は横浜市営地下鉄が整備された。しかし、都心に出るには必ず田園都市線を利用しなければならない。車社会を意識した人気の住宅地域だったかもしれないが、通勤・通学には比較的時間がかかる。沿線の駅近くのマンションは、ほとんどが昭和四十年代に建設されたものだ。また、丘陵を開発したため坂が多く高低もあり、自転車が乗れない場所が多い。そのせいで、歳を重ねてから住むには多少辛い。田園都市線の沿線は、街全体の開発が早かった分だけ老朽化も進んだ。そのせいだろうか、沿線を離れて都内や東京により近い川崎に移る人や、住宅価格の割高さを嫌って安価な他地域へ転出する人が多い。しかし、愚生が若い頃を思い出せば、港北ニュータウンや多摩ニュータウンの土地分譲や建売住宅に応募して何度も落選した記憶がある。その頃は、土地バブルにさしかかろうとした時代だった。田舎から出てきた愚生にとっては、羨ましいく高根の花だった。その都築区や青葉区に広がる港北ニュータウンも、今やゴーストタウン化しているとのことだ。確かに、近場の繁華街と言えば、沿線の渋谷か二子多摩川、それでなければ小田急と横浜線が交わる町田へ出なければならない。ベットタウンとして開発された地域の宿命なのだろう。東京郊外の多摩ニュータウンなども住民の転出が続く。そして、同様に位置する栃木県の野木ローズタウン、千葉県の西に広がる埋め立て地域の団地群、都県境に隣接する埼玉県の各市など、住民流出はいっそう加速されているはずだ。住民の流入先は23区だが、もっと言えば、東京5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)、いや東京3区(千代田区、中央区、港区)への移動が加速している。なぜなら、数ある日本企業の中でも、大企業や一流企業と呼ばれる会社は東証一部に上場している。実際にこれらの大企業はどこに集中しているのだろうか。23区に1,018ある一部上場企業の内、この3区で617を占める。なんと割合にして60.6%も東京3区集中している。こう考えれば、今後不動産を持つとしても、この地域以外では期待できない。
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