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2018年2月 5日 (月)

どの仮想通貨も買うタイミングではない。

 ___ 土日は東証も休みなので、今話題になっている仮想通貨を散見した。仮想通貨取引所「コインチェック」から、仮想通貨「NEM」が大量流出した事件の被害額は580億円に上る。しかし、若干27歳の和田社長は、会見で顧客が被った損失を同社が自己資金で全額返還すると説明した。愚生に限らず「そんなに儲けているのか」と驚いた。愚生も口座を作ってみてわかったことだが、通貨取引所と言うがビットコインを除けば実際は販売所だ。今は人気が無くなった切手収集などと本質は同じ。愚生の体験談だが、50年以上前に「見返り美人」(菱川師宣 1948年)という切手を4000円で購入した。当時の古物商の販売カタログでは定価は6000円くらいだったと思う。ネットで今の価格を調べてみれば、「通常12,480円→特価6,980円44%OFF」という広告がある。販売価格は、6000円くらいで今も昔も変わらない。しかし、愚生が数年前に古物商に切手を売った時は400~500円だったと記憶する。古物商の話しでは、最近は切手収集する人がいない。だから、値段をつけても売れないので引き取り価格は安いという。確かに、切手として使えば「5円」の価値しかないから古物商のいう事にも納得させられる。田舎の不動産と同じで、実需がなければ公示価格はあってもないに等しい。発行枚数が多かったせいと切手収集の不人気で、戦後発行された古切手でプレミアがつくのは、「見返り美人」と「月に雁」くらいだという。郵政省は、紙に印刷した切手を、買った人が使わないでくれれば一番儲かる。こう考えると仮想通貨も同じだ。「大黒屋」のような古物商が、ビール券を安く仕入れて少し上乗せして販売するのと変わらない。「コインチェック」などは、早い段階で草通貨コインと呼ばれる新しいコインを1円程度で仕入れる。そして、その仮想通貨が高騰した後に、2000円程度で売却する。こうなら大儲けしていてもおかしくはない。ところで、今仮想通貨が暴落しているのは「コインチェック」の事件のせいではないようだ。この問題なら、販売店が潰れても仮想通貨の価値が変わることはない。暴落の原因は、仮想通貨「Tether(テザー)」に関する疑惑からだ。この通貨は、米ドルの価格に連動(交換レートを一定に保つ制度)していることを謳っていた。しかし、発行額に相当する米ドルを、発行元が保有していない可能性が指摘されているからだ。もし疑惑が本当なら、金もないのにドル紙幣と等価で「Tether(テザー)」を販売したことになる。今この疑惑の発行元が、米国商品先物取引委員会(CFTC)から召喚されているからだ。例えば、このテザーでビットコインを買い、高値に押し上げたというなら仮想通貨市場は崩壊する。なぜなら、有象無象の仮想通貨は1000種類くらいある。すべて、基軸通貨と言えるビットコインに連動するからだ。基軸通貨が暴落すれば、それで規定された仮想通貨も暴落。ビットコインは、1週間で125万円から80万円台まで下がった。高値の200万円と比べれば半値8掛けだ。事実なら、春先の1万円くらいまで暴落してもおかしくはない。こうなるとレバレッジをかけて購入した人は、全ての投資資金を失うだろう。それで済まないで、借金を背負いこむ人まで出る。いずれにしても、今は相場を静観するしかない。愚生は仮想通貨の意義はわかる。ブロックチェーン技術で、誰も恣意的に支配できないビットコインのような通貨は有効だ。ただ、送金速度や安全性に配慮するなら、アルトコインの「ビットキャッシュ」や「イーサリアム」のほうが優れている。愚生の目には、仮想通貨と呼ばれている物には、ブロックチェーン技術によらない通貨もある。技術的な優劣には一長一短がある。しかし、仮想通貨をもつなら一番周知されているビットコインだろう。米ドル紙幣と韓国紙幣のどちらを持つかと問われれば、迷わずに米国紙幣だ。信用しか拠り所のない紙幣を持つ場合、通貨の価値が上がることより、毀損することを恐れる。当分、仮想通貨の取り引きチャートからは下降トレンドが続く。とても今は、どの仮想通貨も買うタイミングではない。

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