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2018年2月 2日 (金)

今回の決定は、老害の極み

01pb12  昨日に続いて富士フイルムHDの米ゼロックスを買収の話しになる。今回の決定は、これまで複合機に依存した事業構造からの転換を掲げ、医療分野を軸に多角化を進めてきたことと相反する。一昨日、4200円に急落した富士フイルムHD株価が、昨日は4700円に大きく反発した。空売りの買戻しが入った需給からの反発かもしれないが。しかし、複写機業界に多少知見のある愚生には、富士フイルムHDのお先は真っ暗で、その株を買った人の気が知れない。富士フイルムの古森重隆会長はゼロックス買収の狙いについて、日米ゼロックスの統合は長年の悲願だった。日本を含むアジア太平洋、米ゼロックスが欧米を中心の事業展開を統合すれば、世界の巨人として成長戦略を加速することも可能だという。しかし、古森会長の歳はいくつかと問いたい。「インスタ映え」という流行語大賞を知らない世代だろう。そのフェイスブックであっても、北米でアクセス時間数が飽和状態で減少してきた。愚生の家にあった、モノクロのレーザープリンター兼複写機は、昨年に廃棄した。なぜなら、ネットでの写真アップロードはJPEG形式で、コピーなど不要だからだ。安価なインクジェットプリンターをパソコンと絡めて複合機として使えば、一台あれば十分だ。そう考えれば、複写機依存への回帰などありえない。夕日を拝む市場は、新規参入がないため一瞬だけは明るい。しかし、線香花火と同じで、すぐに燃え尽きて萎む。複写機市場とは、正にその世界だ。長い間、情報量の伸びで隠ぺいされていたペーパーレス化が粛々と進む。その流れに沿って、富士フイルムHDの売り上げは落ちる。そして、原価率はだけは上昇するだろう。富士フイルムHDの今年度の業績は厳しい。2018年3月期の連結売上高は2兆4600億円と前回予想を据え置いた。しかし、営業利益は前期比24.5%減の1300億円。事業部門別では、ジタルカメラなどが主力の「イメージング」事業売り上げは好調。また、医療やフイルム材料など「インフォメーション」事業も2018年3月期は880億円の営業利益を稼ぐ見通しで安定している。だが、富士ゼロックス本体の「ドキュメント」事業は営業利益が前期比で8割近く落ち込み190億円になる見通しだ。富士ゼロックスの売上は、富士フイルムHD全体の半分を占める売上だ。売上が大きい割には、利益が出ていない。つまり、固定費の上昇で原価率が悪くなっているからだ。米ゼロックスと統合したところで、滑り台を滑るスピードが増すだけだ。一万人のリストラの中には、富士通やNECから買収したプリンタ部門も含まれる。人を切って、給料を下げての帳尻合わせは、もはや限界ではないか。古森会長は「ゼロックスの買収により任期はまた少し伸びそうだとし、自身の役割はまだある」と語ったという。そうは言うが、傍から見れば今回の決定は、老害の極みとしか見えない。思い出せば、成功体験が邪魔して失敗したいくつかの例がある。NECのパソコンでの成功が、ハード依存体質からの脱却に遅れた。日立製作所によるIBMハードディスク事業の買収もそうだ。先行きが危うい市場に固守すれば、企業の衰退を招く。今回の富士フイルムHD決定は、致命的なエラーだ。今後の期業績に注目したい。

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