アマゾンの銀行業参入の可能性
アマゾンが銀行業に参入すれば、ブロックチェーン技術を使った独自仮想通貨を導入する可能性がある。そして、あらゆるトランザクション履歴を管理・分析を行い、既存の銀行を上回るサービスが期待される。金融業界では、アマゾン銀行の登場はあるのかが大きな話題となっている。きっかけは米国銀行監督当局が、銀行業と商業を分離する規制を見直そうという趣旨の見解を示したからだ。規制のない日本では、楽天銀行が日本最大手のネット銀行となった。そして、住信SBI銀行なども地銀トップと肩を並べる。アマゾンのような小売業と銀行業の相乗効果は大きい。ネットショップやリアル店舗で利用できるポイントや電子マネーを提供し、クレジットカードに加えて住宅ローンや金融商品を販売することが容易になる。マッキンゼー社の調査によると、米国のミレニアル世代のうち73%は、銀行よりも、アマゾン・Google・スクエア・ペイパルといった企業の新しい金融サービスを利用すると回答している。保守的な銀行サービスよりも、新興IT企業の優れたユーザーサービスが評価されている。実際に、愚生などはポイント還元率やPrime会員の利便性を享受するため、アマゾンのゴールドカードを利用している。アマゾンはクレジットカードを発行し、「アマゾンキャッシュ」という銀行口座が無くても利用できるデビットカードのような仕組みも提供し始めたという。また、「アマゾンコイン」というアプリの購入や課金ができる電子マネーのような専用通貨もある。「アマゾンコイン」なら、アプリ、ゲーム、およびアプリ内課金が最大23%オトクになるという。アマゾンキャッシュ(Amazon Cash)をはじめとした低所得者をターゲットとした複数のサービスは、決して目新しいサービスではない。しかし、その取り組みの向こうには小売からビデオストリーミング、自動運転、ドローン、宇宙航空産業、そして金融業にまで手を広げる野望が透けて見える。さらに、販売業者向けの融資サービス「アマゾンレンディング」は、アマゾンマーケットプレイスでのビジネスにおいて実績のある法人の販売事業者に、10万円~5千万円を銀行並みの融資利率8.9% ~ 13.9%(年率)で提供する。このアマゾン内での事業拡大を支援するために導入された「アマゾンレンディング」は、米英日で総額3000億円も融資実績がある。これに限らず、アマゾンが独自仮想通貨を発行する可能性まである。アマゾンの技術力を考えると、参入時には仮想通貨やブロックチェーン技術を駆使した新しい金融サービスを提供する可能性がある。このような多様な購買チャネルこそが、ブロックチェーン技術に適した分野だ。アマゾンコインがアプリ内決済に使われていたのに加え、今後は仮想通貨がアマゾンのサービス全体に展開され、決済に利用される可能性もある。実は、アマゾンは仮想通貨のドメインを既に取得している。それは、amazonbitcoin.comやAmazonEthereum.comというドメインだ。もちろん、ブランド保護を目的としてドメインを取得したという背景もあるだろうが、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨を使ったサービスに備えているという可能性もある。それより、アマゾンが独自の仮想通貨を発行すれば、Eコマースの売り上げやクレジットカード並びにローンの利用履歴が一か所で管理できる。そして高セキュリティと低コストで台帳管理が行えるからだ。仮に、アマゾンが銀行業に参入し、独自の仮想通貨発行をすれば、既存の銀行を上回るサービスが期待される。こう考えると、愚生としては銀行株を買う気にはなれない。そして、割高とも思えるアマゾンドットコム株は、米国市場での株の暴落などと無関係に、今日も上昇している。小心な愚生は、アマゾン株を買い増しているうちに、知らず知らずのうちに一番残高が多くなってしまった。
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