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2018年4月24日 (火)

必ず是正されるのは世の常

Post_10146_4ldk  今年1月末、千葉県北西部の私鉄沿線において、4LDKの新築戸建が1280万円まで値下げして売り出された。最寄り駅から東京都心まで1時間かからないエリアにで、「土地137平米、建物99平米の4LDK」の物件だ。千葉県に限らず、宇都宮市でも広域で開発された新築一戸建てが1300万円で投げ売り状態だと言われる。売れない理由は、明らかに供給過剰によるものだ。しかし、供給過剰は今に始まったことではない。今回の原因は、よく耳にする「パワービルダー」という建て売りを主力事業とする企業の出現だ。パワービルダーは、東証一部上場の売上高1兆円を超える規模だ。このクラスの売り上げは、大手不動産やハウスメーカーも含めた大手企業にも相当する。また、賃貸アパートで業績を伸ばした大東建託なども、この仲間入りをしてきた。共通するのは、住宅も常に供給過剰気味に投入される家電と同じというビジネスモデルだ。それは、大量生産による価格競争力を武器に他社のシェアを奪って拡大する。ちなみに、パワービルダーと呼ばれる企業のシェアは、ここ数年で31%とほぼ倍増して寡占状態になってきた。こういう企業は、事業展開の速度アップを至上命題とする。そして、資金の停滞が起きる在庫は極力避けたい。安くても売り抜けて資本回転率を上げたい。短期の利益より資金効率を優先して、回転資金を潤沢にする方策を選ぶ。冒頭の千葉県北西部の物件は、10月に完成した全7棟は、翌年1月末になっても1棟も売れていなかった。土地の仕入れから引き渡しまでを年2~3回転するパワービルダーの「ファストホーム」のビジネスモデルでは、建物完成までに完売したい。3カ月経過しても売れないのは不良在庫と言わねばならない。売りぬくため、なりふりかまわぬ値下げをした結果が1280万円という価格になった。秋口に2380万円で販売された物件が、半年で1000万円下げて1380万円まで下がったという例もある。しかし、パワービルダーはトータルではしっかりと利益を上げている。リーマンショック後にマンションデベロッパーが捨て値での在庫処分によって軒並み赤字に陥った。売れ残った物件を損切りするのは、ヘッジファンドの投資姿勢と同じだ。一方、パワービルダーの「新築戸建て1280万円」は「見切り品」ではあるが「投げ売り」ではない。大幅に値引いても、固定費を乗せた原価を下回ってはいない。逆にいえば、大手ハウスメーカーや戸建デベロッパーが、いかに暴利を貪っているかということだ。愚生も鵜の目鷹の目で住宅ベンダーの決算を眺めれば、賃貸アパートを扱うハウスメーカーは、昨期、軒並み好決算を上げている。施工を伴う流し台や風呂、トイレなどは、安く仕入れても高い価格付けができるため利益率が良い。アパート建設で、例えば一棟10室なら、それが10件あることになる。大東建託のアパート建設では、一億程度で一棟建つというから、上物だけで一室当たりが1000万円だ。パワービルダーなどは、土地付きで一戸建てを1280円で造る。そう考えると、賃貸アパート建設がいかに儲かるかがわかる。誰かが大儲けすれば、必ず誰かが損をしているはずだ。愚生宅の近くでも、賃貸アパートの建設が盛んだ。いずれ近いうちに、金融庁が指摘する通りに、アパートローン債務者や債権者である地銀の破綻が起きるだろう。過ぎたことは、必ず是正されるのは世の常だからだ。

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