昭和の化石ともいえる老兵は立ち去るべきだ
富士フイルムホールディングスによる米事務機器大手ゼロックスの買収案が揉めているようだ。米ニューヨーク州上級裁判所は、ゼロックスに対して手続きの一時停止を命じた。買収完了に向けて、株主総会での委任状争奪戦が想定されてきたが、その前に法廷闘争の問題が起きた。発端はゼロックスの大株主であるダーウィン・ディーソン氏が、物言う株主として知られるカール・アイカーン氏とともに買収案に反対したことだ。今回の買収の枠組みでは、富士ゼロックスが富士フイルム所有の75%を自社株買いする。富士フイルムはこの資金を元手にゼロックスに過半出資する計画だという。これは、富士フイルムにとっては、お金を使わずにゼロックスを傘下できる。これでは、ゼロックスの大株主は、経営権を富士フィルムにとられるだけだから、株主が反発しているのだろう。富士ゼロックスの内部留保金で事実上、ゼロックスを買収することになる。富士ゼロックスの25%の株を持つゼロックスにメリットがないに等しい。愚生は、ゼロックスの決算発表は知らないが、ペーパレス時代に突入して損益は相当悪化しているとみる。このままではいずれ倒産すると予想して、富士フィルムの吸収合併を依頼したのだろうか。ただ、吸収合併後に大胆な構造改革(リストラ)経営の効率化を図るという。一世代前のエクセレントカンパニーだった頃のゼロックスと違い、小型機はほとんど海外から調達した輸入品だ。そして、米国内に再販しているだけだ。売り上げが落ちて、管理費ばかりが上がる一方で、利幅が薄くなってきたのだろう。愚生も、インクジェットとモノクロのレーザープリンターを使用していたが、昨年末にレーザープリンターは捨てた。今は、どうしても必要な物だけ、インクジェットプリンターで印刷やコピーをしている。今回の決定を受け、統合を巡る交渉は法廷闘争に発展するというが、長引けばその間にゼロックスの倒産ということもあり得る。富士フイルムは今後、買収価格の積み増しなど一定の譲歩を迫られる可能性もあるが、夕日を拝む商売の買収などあってはならない事案だ。白紙に戻して、ゼロックスの買収などしない方が良い。ゼロックスは5月3日に2018年1~3月期決算の電話会見を開く予定だ。この決算しだいでは、大きく株価が下がる可能性もある。富士フイルムの古森重隆会長兼CEOは「統合の利点を説明すれば納得してもらえる」として、アイカーン氏らの要求には応じてこなかったという。愚生は、この古森さんを見ると、ファナックの稲葉さんと二重写しになる。過去の実績は素晴らしいだろうが、そろそろ老害だろう。昭和の化石ともいえる老兵は、早々に立ち去るべきだ。
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