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2018年5月11日 (金)

贔屓目に見るのは、やはりポジショントーク

Fig8_480x124_2 ウォール街はトランプ米大統領が掲げる金融規制の抜本的な緩和を望んでいない。理由の一つは、規制が激減すればIT企業が参入するからだ。米通貨監督庁長官が講演の中で、「IT企業が今の金融業界よりも良いサービスを提供できたとして、それが阻まれているのなら消費者の不利益だ」と語った。これに反応した米メディアは、アマゾン・ドット・コムの銀行業参入を巡る思惑を書き立て、アマゾン銀行の誕生かと囃した。しかし、未だに具体的な動きはないが、ウォール街は非常に警戒をしているという。愚生は知らなかったが、米国では日本のセブン銀行やソニー銀行のような異業種参入は容易でないという。それは、1999年の法律で銀行と証券の融合が解禁された際、異業種による銀行免許の取得が認められなくなった。しかし、アマゾンは公式に表明したことはないが、金融関連のサービスを手がけているのは事実だ。JPモルガン・チェースと組み、預金に似た金融サービスを検討している。仮に、アマゾンが既存顧客の半分を銀行サービスに取り込めば、5年で7000万人を超える預金客を獲得できる。これは、米銀3位のウェルズ・ファーゴに匹敵する。しかも実店舗が不要なので、追加投資なしで事業を展開ができる。アマゾンが自ら銀行業に乗り込むなら、金融業界も「アマゾン・エフェクト」に晒される。ところで、昨日発表された画像処理半導体(GPU)の大手エヌビディアの2~4月期決算は、純利益が前年同期比2.5倍の12億4400万ドル(約1360億円)だった。主力のゲーム向けが好調だったうえ、人工知能でのGPUの利用拡大でデータセンター向けも伸びた。1株利益は1.98ドルと、市場予想(1.46ドル)を上回った。売上高は66%増の32億700万ドルと市場予想(28億9200万ドル)を上回り、過去最高を更新した。細かい技術的な話になるが、処理速度の高速化はCPUの数を増やしても無尽蔵に性能が上がらない。この問題の解決には、マルチコア化という技術がある。要するに、ひとつのダイに複数のCPUを入れる。PCの世界で、最初に投入されたのは、このようなデュアルコアの製品だった。2009年から2010年にかけて、インテルの「Core i7-980X」とかAMDの「Phenom II X6」といった6コアCPUも投入された。しかし、どんどん増やしたとしても、すべてのコアがフル稼働するケースは少ない。つまり、コアの数を増やしても実際の性能がそれほど上がらなくなった。マルチコア化での処理速度の限界が見えてきた。演算に使うCPUと画像表示に使用するGPUの違いは何なのだろうか。CPUは、例えれば自由に対応ができる個人客向けレストラン。一方、GPUは団体客が、順番に出されたものを一斉に食べる団体客専用レストランのようなものだ。CPUの場合は生産性を上げにくいが、GPUでは同じことを大量に処理するため生産性は高い。ただし、その反面GPUでは、細かく対応するようなアプリケーションの実行は苦手だ。従来GPUは、名前の通りPCやゲーム分野で画面上に画像を表示するために使われてきた。3次元の画像や高画質の画像を表示するには、大量の情報を処理しなければならない。CPUだけでは処理できない作業を補完する部品として、画像の高速処理に特化してきた。この機能をさまざまなAI分野に活用を広げるようとするには、チップの演算能力を上げるだけでなく、使いやすくするためのアプリケーションを増やす必要がある。プログラム可能なゲートアレイであるFPGAに比べ、GPUを使う利点は、搭載するソフトウエアを開発するだけでこれが実現できる。例えば、FPGAで機能を実現するためには、設計に1年近くも必要になる。変化の速い業界で、個別のハード対応は、コスト的にも時間的にも不利だ。こういう理由で、高速化手段としてエヌビディアが手掛けるGPUが主流になってきた。ディープラーニングには、頻繁な仕様変更はつきものだ。当面、量子コンピュータが実用化され安く提供されまで、GPU方式が主流と見られるようだ。そして、これはディープラーニングの始まりに過ぎない。昨年に比較して、売上高は66%増、純利益が前年同期比2.5倍、株価は約2倍だ。成長性を考慮すれば決して割高ではない気もする。ただ、愚生がエヌビディア株に期待するのは、やはりポジショントークだろう。焼け野の雉夜の鶴という気分だ。

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