高給を得ていながら、悲しい限りの経営能力だ
東芝のパソコン部門が、わずか40億円でシャープへ売却されることが決定した。価格は安いと思われる。ただし、赤字事業であって、東芝の従業員約2200人の雇用保証も伴う。価格の妥当性は、厳密にはわからない。数年前は、東芝と富士通の合弁話も上がっていた。結局、富士通はレノボへ、東芝はシャープというか、鴻海精密工業への売却となった。買ってきたものを「アセンブリー」するだけのパソコン事業など、ビジネスにならないことは十五年以上前から解っていた。その証拠に、2002年には米ヒューレット・パッカードが米コンパックを吸収。2004年には、IBMが自社のPC事業部を、中国レノボに売却することを決断した。多少頭の緩い経営者であっても、とっくの昔に決断していただろう。富士通にも東芝にも、真の経営者が不在だったとしか言いようがない。富士通のパソコン部門など、風に吹かれて舞い上がっただけの連中だった。風が止めば、付加価値のないパソコン事業など落ちるのは当たり前だ。決断が遅かったのは、自分の椅子を確保するだけの勤め人という従業員だったためだ。高給を得ていながら、悲しい限りの経営能力だ。政府の公務員とまるで同じだ。思い出せば、東芝は世界初のブック型パソコン「ダイナブック」を開発した。そして、ノートパソコン市場では、長い間世界で首位を独走した時期もあった。しかし、付加価値が付かない物は、いずれ価格競争に陥り、中国や台湾のメーカーにより席巻される。もっと早く売却していれば、1000億円超でも売却可能だったと言われる。惜しいかな、売上高が1兆円もあるとサラリーマン社長には、勇断することは出来なかったようだ。確かに、東芝の社長は孫正義氏のようなオーナーとは違う。資本家ではない彼らは、どうしても会社の損益より、自分の立場を優先する。なぜなら、肩書きがなくなれば、尊厳が保てないからだ。株主より、自分を優先するのは致し方ないことなのだろうか。
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