身の丈にあった振る舞いが最善
私立大学支援事業を巡る汚職事件に絡み、東京医科大学の裏口入学が騒がれている。今年、実施した入試の1次試験で、複数の受験生の試験結果のデータが改ざんされていた。受託収賄容疑で逮捕された同省前局長の息子を含む、複数の受験生に対する不正が確認された。昭和20年代生まれの愚生には、当時、私立医科大進学といえば、医者の子供以外は考えられない時代だった。寄付金が一番安いと言われた、昭和医大でも300万円程度だった。当時の大卒初任給は3万円くらいだった。それから換算すれば2500万円くらいになる金額だ。その時の国立大学入学金は1万2千円。そういうわけで、愚生のクラスから医学部に進んだのは、一人を除いてすべて国立大医学部だった。その私大医学部に行った友人の家は、田畑を売ってお金を捻出したと聞く。その当時でも、医者の息子以外は私立医科大に行っても算盤が合わなかった。勤務医は、大企業に勤務するサラリーマンと比べて、可処分所得や退職金、年金まで考えればそれほど高収入でもない。毎日、病人とface to faceの医師業に、それほど魅力を感じることはいないだろう。大学医学部に進学することは、国家試験の受験資格が得られるだけだ。東京医科大の問題を、そう目くじらを立てて騒ぎ立てることはない気もする。私立大学などは、昔も今も推薦入学など含めて、大量に生徒を募集する。これとて、裏口入学と紙一重で何が違うのだろうかと言いたい。今回、非難されるとすれば、裏口入学の寄付金を身銭ではなく国民の税金を元文科省官房長が使用したことだ。今回の懲戒免職で、退職金と天下り先がなくなったことは大損だ。それなら、銀行から金を借りて、寄付金に充てたほうがよかった。特捜部は、加点対象となった受験生の名前と加点される点数が記載されたメモも入手している。それが、パソコンの解析結果とも一致しているから、受託収賄罪は免れない。ところで、入学した息子はどうなるのだろうか。入学取り消しでは、あまりにも可哀そうだ。親のおせっかいで、子供には罪はない。親バカに振り回された子供は可哀そうだ。愚生の友人にも、親の希望を子供に託して、辛い思いをしている人を見る。聖書にも「あなたは顔に汗してパンを食べ、ついには地面に帰る。あなたはそこから取られたからである。あなたは塵だから塵に帰る」(創世記3:19)とある。古い昔から、言い聞かされてきた箴言だ。人生は一回きりで、やり直しは時間が許さないことが多い。晩年、それを悔いている人は多いだろうが、時すでに遅しだ。そう考えれば、身の丈にあった振る舞いが最善なのではないか。親が子供の一生を振り回すことは、控えるべきだとつくづく思う。
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