
夏の高校野球のベスト8が出そろった。この歳になると、特別の思いを入れて応援するチームはない。愚生の育った田舎のチームや何かしら関りのあった地域からの出場校を応援する。相手チームも一生懸命にやっているから、一方的に贔屓にすることもない。愚生の田舎チームは、何を間違ったのか運よく二勝もして三回戦まで進んだ。相手は、春夏連覇を狙う大阪桐蔭だ。春の優勝校だから優勝最右翼の強豪だ。愚生の願いは、勝つことなど望んでいなかった。あまり惨めな負け方をして、せっかく勝ち取った二勝という金字塔。これを、田舎に誇らしく持ち帰ることの妨げにならなければよいという老婆心だ。試合は、高商が1-3で敗れたが、よく頑張ったと思う。実力以上に競った僅差の敗戦だった。負けた選手の中に、一人も泣き顔はなく清々しい態度は美しかった。大阪桐蔭は、プロ野球に多くの選手を輩出している。選手層の厚さも各段に違う。同じ高校生と言っても、格が違うというのが正直な評価だ。いずれにしろ、
大敗せずに田舎に喜んで帰って行ったので胸をなでおろした。贔屓するチームが弱いと、彼らに恥をかかせたくないと言う親心が先に立ってしまう。ところで、準々決勝まで勝ち残ったチームはどこも優勝候補の強豪だ。愚生の住む地域からでた西東京代表も過去に優勝した強豪だ。学校も近くなので贔屓にはするが、それほど強い思い入れはない。やはり、
愚生は「お上りさん」という意識があるからだろうか。田舎に住んだ18年より、はるかに長い年月を東京で過ごした。しかし、愚生からは
いつまでたっても、田舎者意識は抜けないようだ。地縁も血縁もなく、裸一貫で東京に出てきた田舎者には、都会で味わった惨苦から逃れられないからだろうか。愚生も他の田舎出身者同様に、多額の住宅ローンを抱えて質素倹約が身に着いた生活だった。それを見てきたせいだろうか。親バカだが、東京育ちの息子たちは、不平不満を言う事が少ない。良いことと悪いことは、表裏一体のようだ。
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