ゲームについては中国共産党が発売前に審査
テンセント(騰訊控股)の株価急落は、方々に影響している。株価急落の原因を作ったのは、中国共産党の意向で、テンセントのゲーム事業に急ブレーキをかけたからだ。人気オンラインゲームシリーズ「モンスターハンター」が、当局の指示により発売5日で配信停止となった。さらに3月以降に認可を申請した新作ゲームの審査はすべて凍結されている。この結果、日本を含めてゲーム関連銘柄の株価や中国株は軒並み下落した。テンセントの株価は、足元で年初比約2割も下落した。テンセントが15日に発表した4~6月期決算は、純利益が前年同期比2%減の約2880億円だった。四半期ベースの減益は、13年ぶりで、初の減益決算となった。テンセント・ショックは、以前から囁かれていた。テレビや新聞、映画、ゲームなど各種の出版物を監督する従来の国の組織を解体し、ゲームについては共産党の世論工作を担う「中央宣伝部」傘下の新組織が、発売前の審査などを担う。要するに、中国でのゲーム事業は国の管轄から党の管轄へと移行した。自由主義経済に住む愚生には、「なぜ」と突っ込みを入れたいことが多い。この組織改革は、党主導で世論工作を強化するためだ。中国では、政府が行政を担うが、根本は党が主導するという事らしい。党主導となれば、経済活動など二の次で、党利党略で審査される。その結果、テンセントのゲームを含め、基準や組織の見直しで、発売予定のゲームの審査がすべて停止された。つまり、周知期間も置かずにすべてのゲームが発売できない事態だ。審査再開はいつになるか見通せないという。上意下達はしかたないとしても、中国共産党は審査停止の理由は一切明かしていない。無責任極まりないという役人仕事だ。ただ、愚生も覚えがあるが、以前、人民日報はゲーム事業で莫大な利益を稼ぐテンセントを名指しで「利益だけを追求するのでなく、社会的責任を負わなくてはならない」と批判していた。この頃から、中国のカントリーリスクを肌で感じて、中国株に不信感を持った。そう思った愚生は、テンセント株を売り払い、その後、全ての中国株を処分した。確かに、若者がゲームにお金をつぎ込み、一晩中遊ぶなどとは不謹慎極まる。若者に悪影響を及ぼす事業は、愚民化政策にほかならない。ゲームで育った大量の若者が思いも寄らない方向に動き、ガバナンスがきかなくなることへの恐怖感もある。共産党からすれば、このようなことで金儲けをする会社は論外なのだろう。そう考えれば、今回の決定に党の強い意向が働いたことは確かだ。日本でも、テンセントにモンハンをライセンス供与しているカプコンは5%安。中国への本格進出を探っている任天堂も年初来安値を更新。コナミホールディングスやガンホー・オンライン・エンターテイメント、グリー、コロプラなども相次ぎ年初来安値をつけた。さらに、ゲーム市場に不透明感が浮上したことで半導体株も大きく売られた。台湾の台湾積体電路製造や韓国のSKハイニックスも安く推移した。それ以外にも、連想ゲームのように関連安となった銘柄は多い。どうも、中国の政教分離政策は口だけかと思いたくなる。
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