純粋に生きると立ち位置が見えない時もある
NHKは山口県周防大島町で行方不明となっていた男児を発見した尾畠さんを匿名ではなく本名で報道するようになった。民放各社は、初めから本名で報道していたので何か理由があったのだろうか。78歳と言えば、高齢だが立ち振る舞いからその年齢を感じさせない。なぜこんなに元気なのかと羨ましくなってしまう。人は歳を重ねと、それまでの生きざまが自然と顔や言動に現れる。本人には、どうしようもないことだが隠し通すことはできない。繕ってみた所で、すぐに見透かされてしまう。尾畠さんにワイドショーなどが相次いでインタビューする。驕りや私利私欲が感じられない言動に、見る側が感銘してしまう。善人といういい方は月並みな言い方だが、それを感じてしまう。つくづく、偉い人という基準を改めて定義したくなる。将棋の加藤一二三九段も、同じ78歳だ。若い頃は、神武以来の天才と言われた。14歳7か月で当時の史上最年少棋士(62年後の2016年に藤井聡太が更新)史上初の中学生棋士となった。そして、18歳でA級八段という記録は60年近く経った今もなお破られていない。同年代のこの2人にとどまらず、幼少期に第二次世界大戦を経験した「焼け跡世代」の多くは、若者に負けない存在感を発揮するようだ。二人の共通点を捜せば、童心のような立ち振る舞いだ。ただ、純真な一面がある加藤九段だが、けっこう変わった人物で他人に迷惑をかける。加藤九段は、カトリック教会で洗礼を受けたクリスチャンだ。愚生のように、洗礼だけ受けて信仰心もない輩もいるが、加藤九段はそうではないようだ。1986年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世から聖シルベストロ教皇騎士団勲章を授与されたというから、教会に功績のある信徒なのだろう。しかし、対局中に讃美歌を大声で歌うなど、対戦棋士に迷惑をかけることは憚らない。讃美歌など、クリスチャンでもなければ雑音にしか聞こえない。これでは、相手は気が散って考えがまとまらない。また、自宅マンション傍で野良猫を餌付けした。そのため、猫が糞尿をまき散すなどしたため、近隣住民が訴訟を起こした。裁判では、(1)マンション敷地内での餌付けを中止すること、(2)慰謝料204万円を支払うという判決がでた。なお、判決によると、加藤九段の餌付けによって一時は18匹にまで増えた野良猫は、不妊手術・去勢手術を受けさせたことで、4匹にまで減少したとある。加藤九段は、「猫に長く生きてもらいたいと思ってした行動なのに」と、納得はしないが判決を受け入れた。しかし、慰謝料は払うが、敷地外での餌やりは続けていきたいとの意向だった。クリスチャンの根本ともいえる隣人愛は、どうなったのかと問いただしたい。レビ記19章:「自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。」マタイによる福音書22章:「隣人を自分のように愛しなさい。」あまりにも純粋に生きる人は、自分の立ち位置が見えない時もあるようだ。ただ、愚生のように、サラリーマン人生を権謀術数で生き抜いてきた者には、それを咎める資格はないだろう。
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