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2018年9月16日 (日)

潜在ニーズを顕在化させたときに大儲け

101 フリーマーケットサービスの「メルカリ」は、マザーズ上場前は大人気だった。新規公開時に、個人から集まったメルカリ株の応募倍率が50倍を超えた。つい3カ月前は、6000円を越えて暴騰していた。当時、メルカリ購入資金を確保するために、マザーズ市場の株が売られた。熱狂の限りだった。メルカリは、国内最大規模のヤフオクを脅かす規模にまで成長している。今、そのメルカリ株の下げが止まらず、公開価格(3000円)割れも間近まで売られている。メルカリ株が下げ足を強めたのは、2018年6月期決算がきっかけだった。直接的な原因は、米国への投資負担で最終赤字が70億円と拡大したことだ。赤字が想定以上に長引くとの警戒から、先行投資を優先する会社との烙印を押された。そして、2019年6月期の業績予想も示さなかった。こうなれば、今期も赤字が続くとの失望売りが広がるのも当然だろう。公開価格を割れば、全員が赤字で含み損を抱える。どの時点で買おうが、買ったメルカリ株を売れずに塩漬けにする個人は多い。東証マザーズ首位の時価総額。その額は4310億円にも上る。この株の含み損を抱えた個人の投資意欲を冷している。今、1兆ドルの時価総額を越えようしている米アマゾン・ドット・コムでも、1997年の上場後、6年連続で赤字を計上した。1株2000ドルを伺おうとしているアマゾンの株価は、当時は6ドル付近まで暴落していた。今の時価で計算すれば、300倍を超えて成長したことになる。仮に1997年にアマゾン株100万円程度購入していれば、3億円にもなる。涎が出そうなくらいの出世株だ。そう考えれば、急成長した企業でも上場後に赤字が長期化していた例は珍しくない。しかし、アマゾンのビジネスモデルは、他社の二番煎じではない。ネットワーク社会インフラの成長とともに、先見性を持って拡大してきた。愚生もよくアマゾンを利用する。アタック1.6キロの詰め替え洗剤でも、定期購入すれば配達費込みで1個392円だ。アマゾンでは、販売員もいない物流倉庫のロボットが発送用の梱包箱を作る。一方、マツモトキヨシなどは、駅近くの立地の良い場所に店を構える。そして、各店舗で在庫と販売員を抱えている。その売値は、1個550円程度にもなる。なぜ無料配達のアマゾンが安く売れるかと思ったが、店舗経費や固定費の高さを考えれば、勝負にならないことは明らかだ。メルカリCEOは、「ゴールは短期的な収益性を高めることではなく、中長期的に成長することだ」と話す。しかし、株価とは長期的な成長可能性も織り込んだものだ。その証拠に、メルカル株がアマゾンやアリババのようになれると市場が信じていないのは、株価が示している通りだろう。愚生は、自らの経験から、潜在ニーズを顕在化させたときに大儲けできることを知っている。思い起こせば、ビル・ゲイツへが「New Technology」と呼んだDECのVMSアーキテクチャを基礎としたWindowsNTが出現した時に、NOSのNetwareと決別する開発方針に舵を切った。この決断が、愚生のサラリーマン人生を大きく変えた気がする。そうぼんやりと過去の成功体験を思い出せば、辛かった頃のオーティス・レディングの曲を思い出す。

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