果報は寝て待て
米アマゾン・ドット・コムが25日発表した2018年7~9月期決算は、純利益が前年同期の11.3倍の28億8300万ドル(3200億円)だった。クラウドサービス「AWS」など利益率の高い事業がけん引した。ただ、海外事業の急速な伸び悩みで売上高が予想に届かず、10~12月期の売上高見通しも市場予想を下回った。決算を受け、米株式市場の時間外取引でアマゾン株は8%近く下げ、当日の上げを帳消しにした。過去の経験から、決算売りで一旦下がるとは思っていたが、ここまで下がるとは思わなかった。売上高は565億7600万ドルと29%増えたが、市場予想(571億ドル)に届かなかった。海外事業の売上高が13%増と4~6月期(27%増)から鈍化したことが原因のようだ。ただ、北米事業は35%増と市場の予想以上に伸びた。クラウドサービスも46%増と市場予想を上回った。そして、4四期の10~12月期は売上高が665億~725億ドルと前年同期比10~20%増える見通しだ。しかし、市場予想(737億ドル)には届かないようだ。アマゾン・ドット・コム株の下げの原因は、期待値が高すぎたこともあるようだ。しかし、愚生はクラウドサービスが堅調に売り上げを拡大しているから、今後もデーター量の増大に伴い大きな成長を期待する。また、利幅が大きい広告事業の売り上げも、2倍以上の伸びを記録した。利益率が高く確実に成長する分野だ。マイクロソフトやグーグルにも、同様なことがいえる。少し気分は悪いが、果報は寝て待てと自分を慰めるしかない。ところで、米国や中国では無人店舗が続々と登場している。米アマゾン・ドット・コムのほか、スタートアップがキャッシュレス決済のノウハウなどを使いコンビニエンスストアの展開を始めた。従来型の小売企業にとって店舗の進化は喫緊の課題だろう。幕張メッセで開催されたCEATECでは、電子タグのついた商品をバッグに詰め、スマートフォンに表示したQRコードを読み取る。そして、利用者のIDを照合して専用ゲートでスキャンすると決済が完了というデモが行なわれた。ローソンが描く「未来のコンビニ」のイメージだそうだ。しかし、愚生に言わせれば、商品に電子タグを付ける手間とコストが問題だと思う。RFID(radio frequency
identifier)技術はスイカなどと同様に確立されている。現状、自動倉庫などは在庫管理にRFIDを使っている。ただ、この方式は安い商品には向かない。ローソンの描くコンビニは、既存の技術の延長で未来志向とは思えないが・・・・。米国では既にAIを使って実用段階に入っている。米シアトルで無人店「アマゾン・ゴー」の1号店を開業した。来店客と商品の動きを店内のカメラやセンサーで把握し、決済は事前登録のアプリで済ませる。2021年までにアマゾン・ゴーを最大3000店規模まで増やす計画とされる。いずれ、米国で成功すれば、日本にも導入されるだろう。また、米CBインサイツも、レジ不要の決済システムを開発し、無人コンビニのモデル店をオープンした。大手ではウォルマートがマイクロソフトと提携して、無人レジ技術に取り組むようだ。中国のコンビニ市場は今や日本の2倍となる10万店を突破した。ネット通販大手の京東集団は無人店を中国で20店程度展開する。米中に共通するのがネット通販の台頭という小売業の事業環境だ。経済産業省などの調査によるとネット通販比率は米国で1割、中国では2割まで増えてきた。アマゾンやアリババ集団がネット通販のノウハウを実際の店舗でも活用しようと無人店を研究する。一方、小売店側もネット勢に対抗しようと店舗の高度化を急いでいる。日本のネット通販比率は6%程度だから、これから普及期に入るようだ。アマゾンの浸透などでネット通販は今後も確実に増える。新規出店の余地がなくなりつつあるドラッグストアやコンビニなどが、今後の人手不足を補って成長するには無人店は避けて通れない業態だろう。IT分野に取り込まれた途端に、どの市場だろうが立ち止まることは許されない。「日々是決戦」という技術の流れは、予備校のキャッフレーズを思い出す。
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