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2018年10月12日 (金)

東京証券取引所でシステム障害

2  米国株の続落は、2月以降で株式相場を最悪にした。トランプ米大統領はこの下落は、FRBの責任だと非難する。ただし、FRBパウエル議長を解任する考えはないと述べた。これまでの大統領と違い、トランプ大統領は不動産屋だからビジネスには明るい。だから、金融政策についてはFRB上層部より自分の方が分かっていると思っている。トランプが「利上げは必要ないというのが私の意見だ。私の方が彼らよりこの点を分かっていると思う」というのもあながち嘘ではない。ただ、愚生のように株式投資をしている者は、今回の株式相場の急落は「調整であり、FRBによって引き起こされた」という大統領の主張を信じたい気だ。ところで、米国株が下がれば、伝染病のように日本株も大幅下落した。おまけに、日本株の売買インフラを担う東京証券取引所でシステム障害を起こした。この原因は、「メリルリンチ日本証券からの通常の1000倍を超える電文送信だった」という。背景を探ると、海外の超高速取引業者の存在と脆弱な管理体制が問題として浮かび上がる。ログインや取引をする時に、システム間でデータをやり取りする。顧客と証券会社間、証券会社と東証間で取引開始時に毎朝発生する。これ自体は通常業務だ。しかし、なぜ、証券会社の発注システムと東証の取引サーバーをつなぐ回線に、1000倍もの電文が流れ込んだのかということは別問題だ。超高速取引業者(HFT)はコンピューターを駆使し過去の値動きを統計的に分析する。そして、1秒に数百万回の高頻度売買を行う。HFTがシステムにログインしようとしたところ、何らかの原因でシステムに入れなかった。これが引き金となりログイン動作が繰り返された。東証にとって落とし穴だったのは、それが売買注文でなくログインという業務データだったことだ。過去の誤発注やシステム障害などを経て、注文データに関しては証券会社側も東証側もシステムを守るプログラムは強固になっている。だが今回のような注文に関係ないデータの大量送信は想定外だった。これが原因となり東証と証券会社をつなぐ4つの回線の1つで障害が発生した。回線はまだ3回線ある東証は楽観視していた。しかし、証券会社側で頻発した「切り替え不能」の事態には予想していなかった。従来、バックアップのため、東証は証券会社に対し4回線中最低2回線との接続を義務付けている。問題発生時後、東証は証券会社に回線の切り替えを要請した。切り替えられたネット証券や外資系証券は問題が起きなかった。一方、障害が起きた野村、SMBC日興、みずほ、三菱UFJモルガン・スタンレーなどの大手証券は、東証の切り替え要請が出た前後は既に顧客注文が入り始めていた。この時点で、注文が流れる回線の切り替えは不可能だった。トレードシステムなどは、証券会社は大手システムベンダーに設計を丸投げしている。緊急時に対応できるシステムスタッフは、証券会社内にはいない。今後、人工知能(AI)やアルゴリズムが進化する時代は、東証が想定しない投資家行動が増える。東証の障害は復旧したが、投資家が本来意図した取引ができず損失を被った可能性は残る。証券会社は自社のミスと認める場合、「過誤訂正」の手続きをとり顧客に補償する必要がある。いち早く被害把握を終えたSMBC日興証券の場合、今回の障害での処理訂正件数は25000件に上るという。証券会社側には、今回の非はない。負担を被る証券会社の対応次第では、東証と要因をつくったメリルリンチ日本証券との係争に発展する可能性もある。以前、ジェーコムの誤発注事件で、20億円儲けた個人もいた。今回の事件で、棚ぼたで儲けた人がいるのだろうか。下種の勘ぐりをしたくなる。

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