孫氏の事業家としての卓越した知見には敬服
昨日、ムサウジアラビアのハンマド皇太子は、ソフトバンクグループ(SBG)の第2ビジョン・ファンドへ再投資する。そして、自分たちが考えて投資するより、孫正義氏のファンドに投資した方の運用益が高いからだろうと書いた。実際は、どうなのか気になったので調べてみた。決算書からは、立ち上げた10兆円ファンドの損益がソフトバンクグループ(SBG)の業績を大きく押し上げていた。2018年4~6月期の連結決算では、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比49%増の7149億円。昨年立ち上げたファンドの事業利益が2.3倍に膨らんだことに起因している。「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の事業利益は2399億円とSBG全体の営業利益のほぼ3割を占めている。ファンドの投資先は6月末時点で約30社になる。これまでは米半導体エヌビディアの株価上昇がファンドの利益をけん引してきたが、4~6月期は主役が代わった。米ウォルマートに売却するインドのネット通販大手フリップカート株で評価益。シェアオフィス運営の米ウィーワークなど他の投資先の企業価値も高まり評価益の計上に至った。ただ、最近はエヌビディア株も停滞しているから、今後急激に伸びる企業があるのだろうか。そして、ファンド以外にはなるがSBGの持つアリババ集団株も伸び悩んでいる。ジャック・マーに投資した20億円から保有分の時価は約15兆円にまで膨らんだが、ここ最近は米中貿易戦争もあって株価の伸びがない。一方で投資先の株価変動がSBGの業績に大きく直結する。今後、二匹目の鰌を探すのは容易ではないと思うのは、下衆の勘繰りだろうか。ただ、孫正義氏は愚生より年下だ。比較するのも失礼だろうが、愚生にも時間というチャンスだけは同じようにあったはずだ。そう考えれば、これからも二の矢、三の矢が出るのだろう。孫氏の事業家としての卓越した知見には敬服する。しかし、何故かSBGの株を買う気にはなれない。どこかで、彼が広げる大風呂敷という影を感じ取るからなのだろうか。
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