拙速な妥協よりは、現状のままで
昨日、河野太郎外相とロシアのラブロフ外相間で、平和条約と北方領土に関する日露外相会談が開かれた。ロシアは、「第二次大戦の結果、南クリール諸島はロシア領になったことを日本が認めない限り、領土交渉の進展は期待できない」と発言する。そして、河野氏に「北方領土という呼称はロシアには受け入れがたい。日本の国内法に北方領土という呼称が規定されている問題をどう解決していく考えがあるか」と伝えたという。そして、島の主権をめぐる問題については議論までは入らなかった。北方領土に関しては、長い年月議論されてきた問題だ。交渉相手がソ連からロシアに代わる時が解決のチャンスだった。しかし、その機会を逃してしまった。これまで、延々と過去73年間に亘り交渉してきたが合意はできていない問題だ。少子高齢化の進む日本に、北方四島がどれほど重要なのだろうか。そう考えれば、拙速に交渉して日本が譲歩することはない。現状、クリミア問題で、ロシアは世界中から経済制裁を受けている。この二十一世紀に他国に攻め入って、領土拡張など、とんでもないことだ。ウクライナから核兵器廃棄をする際に西側の支援が約束された。1994年1月に米国クリントン大統領とウクライナのクラフチュク大統領、ロシアのエリツィン大統領は首脳会談を行い、ウクライナに配備された旧ソ連の核兵器のロシアへの移管と全面廃棄を完了することを盛り込んだ3か国共同コミュニケに調印した。この合意には、核兵器の解体・廃棄の他に、ウクライナに対して米国、ロシア、英国は核攻撃を行わない。核兵器の解体・廃棄に必要な資金を米国が提供する。核兵器の解体に伴う高濃縮ウランをロシアに移管する補償としてロシアから原子力発電用燃料をウクライナに供給するなども盛り込まれた。ところが、2014年にロシアは、クリミアに侵攻した。同年にウクライナ騒乱が発生して以来、ロシアがウクライナ南部のクリミア自治共和国に対して軍事行動を行なっている。また、昨今ではプーチン大統領は、日本では白ロシアとも呼ばれるベラルーシをロシアへの吸収合併を示唆する発言を繰り返している。それにベラルーシのルカシェンコ大統領は反発して、両国の統合は停滞している。こう考えると、ロシアなどと交渉しても彼らがまともな回答を出すとは思えない。愚生などは、拙速な妥協よりは、現状のままでよいのではないかと思う。経済が疲弊するロシアには喫緊でも、日本は困らないからだ。
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