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2019年3月 3日 (日)

自分の老後のことは真剣に考えている

06171921_5b2636286c380 歳を取ると、若者とは違う視点が働く。戸主制度がなくなった今、戦後生まれの愚生の世代は、〇〇の家を継ぐ、〇〇家の血を絶やさないなどという戦前教育を受けていない。少子高齢化の昨今、継がせる子供がいなかったり、子供が空き家化を心配して相続を敬遠したりするのが現実だ。そして、家の所有や相続にこだわらなくなった。そういう世相だから、家などは自分の老後資金作りに活用するという意識になる。そのサービスとして、「リバースモーゲージ」がある。これは、自宅の土地・建物を担保に差し入れて金融機関から融資を受ける。ここは住宅ローンと同じだが、返済の仕組みが大きく異なる。住宅ローンは、元本・利息を毎月返済するのに対し、リバースモーゲージは利息のみを毎月払う。そして、元本は、生存中には返す義務がない。死亡後、担保である自宅を売却するなどして一括返済する考えだ。ただ、借入金利は現在、年3%程度と超低利の住宅ローンに比べて割高だ。この分野でトップシェアの東京スター銀行によれば、2018年度の申請数は前年比3倍だという。契約者本人が亡くなったら、その家を売却するか、相続人が自己資金で元本を一括返済するか選択すればよい。そして、本人の死後、残された配偶者は契約を引き継げば家に住み続けられる。ただし、リスク面で大きいのは金利上昇だ。一般の住宅ローンは金利が上がっても元本と利息の割合を調整して月々の返済額を一定期間上げない仕組みがあるが、リバースモーゲージの場合は金利が上がれば利息返済額は増える。また、銀行は契約時に土地を中心に担保の価値を評価するので、地価が下落すれば、担保の評価額を引き下げる。平均6割程度を上限に融資するというから、土地の実需がある都市部で抵当権がない土地でなければ成立しにくい。死亡後に土地を売って完済できない場合、相続人に請求がいくからだ。もし、リバースモーゲージで受けられる融資額が不十分な場合、「リースバック」と呼ぶ仕組みもある。これは、自宅を不動産会社に売却したうえで、その会社から同じ家を有料で貸してもらう方式だ。こちらのサービスの方が、相続人との関係が皆無で、リバースモーゲージに比べて調達できる金額が多い。(買い取り価格は市場流通価格の8割が目安)ただし、自宅を売却済みなため、リバースモーゲージに比べて住み続けられるか不透明な要素がある。そう考えれば、リースバックとは定期借家契約と同じだと思えばよい。もし仮に、その家を買った会社が転売すれば、再契約できないリスクもあるので要注意。愚生の感触では、設計の良し悪しはともかく「リバースモーゲージ」の方が「リースバック」より安心な気がする。愚生のかみさんに、このリバースモーゲージの話をすると、綾小路きみまろの東京スター銀行の宣伝で知っているという。まったく金銭感覚に無頓着な愚妻だが、自分の老後のことは真剣に考えているようだ。そういえば、愚生の健康を心配するもの、愚生の企業年金基金が受け取れなくなることが心配なのかと穿った見方をしたくなる。

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