« テレビからネット配信への視聴者の流入が加速 | トップページ | 持続不能な楽観主義と不当な悲観主義 »

2019年4月20日 (土)

5Gの技術革新は、IOTのインフラ

Download_2 次世代モバイル通信"5G"は、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天が電波を割り当てられた。この5Gで実現される超高速通信、Wi-Fi並みの低電力で10Gbpsだ。5Gは、高速化というより、次世代社会に新しい価値を産み出す。思いだせば、1980年代から1990年代にかけての1Gは、アナログ携帯電話だった。愚生もF社から支給されたアナログ携帯電話を持った。当時は携帯電話が普及していないため、電車の中でも通話を咎められることはなかった。通信費は会社持ちだったため、10秒/10円も苦にならない。出張中のグリーン車から、オフィスで仕事をするような感覚で、電話をかけまくっていた。次に、2Gでデジタル化とデータ通信がスタートした。ドコモのiモードなどが出現して普及期となった。その途端に、電車内での通話は禁止となった。そこで、メールをはじめとする携帯データ通信の利用が本格化してきた。携帯データ通信を日常的に利用するようになると、高速化が進められ3Gのコア技術となる「CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多元接続)」が商用化された。cdmaOneは、3Gを先取りした高速化技術の2.5世代だった。そして、ITU(国際電気通信連合)が世界中で使うための互換仕様となる標準化を進め3Gとなった。これによって、一つの端末を世界中に持ち歩ける時代が始まった。3Gの当初の開発目標は、2Mbpsだったが2000年代に入って、10M~20Mbpsクラスの高速化技術が実用化された。これらの高速化技術の一つは、3Gの技術をベースに高速化する方法で3.5Gと呼ばれた。もう一つは4G向けの高速化技術「LTE」(Long Term Evolution」だった。これらの標準化活動で、LTE-AdvancedとWirelessMAN-Advancedの2方式が4G仕様となった。ユーザー目線で4Gを位置付けるなら、現在の4Gは、スマートフォンのためのモバイルネットワークだ。4GのGは「Generation(世代)」の意味だ。5Gがターゲットとするものは、2020年代の社会を支えるモバイルネットワークだ。4Gがスマートフォンのための技術だったとすると、5Gはすべての端末とすべてのアプリケーションのための技術と言える。例えば、ゴールシーンやスタジアム内のライブ中継の高精細映像を、スマートフォンやタブレットで視聴するサービスなどだ。小さなエリアに密集している何万台もの端末全てが数100Mbpsでデータ通信する環境だ。このネットワーク環境を作るには、10Gbpsクラスの超高速無線通信を数万台の端末が密集している場所で定的に通信させる。そして、基地局側の消費電力をWi-Fiアクセスポイント並みの10W程度に抑えなければならない。Wi-Fi並みの低電力での超高速通信10Gbpsが実現すれば、ネットワークの構築・運用・設計が容易になる。そうなれば、駅や空港、イベント会場などにおいて高精細映像を含む情報提供が可能となる。近年、「IoT」という言葉が使われる。IoTは「Internet of Things」の略で、モノがインターネット経由で通信することを意味する。以前は、インターネットはコンピュータ同士を接続するためのものだった。主にパソコンやサーバー等のIT関連機器が接続されていたからだ。しかし、現在ではスマートフォンやタブレット端末のような移動端末機器が主流に接続される。これからは、情報家電としてテレビやデジタルカメラ、デジタルレコーダーやスマートスピーカーがインターネット接続する流れだ。デジタル化された映像、音楽、音声、写真、文字情報や様々なデータがインターネットを介して伝達する。5Gの技術革新は、インターネットはあらゆるモノがコミュニケーションをするための情報伝送路と豹変する。そこの潜在ニーズを顕在化させたビジネスが次世代の勝者となる。

|

« テレビからネット配信への視聴者の流入が加速 | トップページ | 持続不能な楽観主義と不当な悲観主義 »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

携帯・デジカメ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。