金があれば幸せなのか
2017年に国連が発表した「世界幸福度ランキング」によると、日本は155か国中51位だそうだ。先進国のなかでは低い。いったい幸せ度とは、何をもって量るのだろうか。金があれば幸せなのかというと、そうでもないようだ。愚生の近所に、土地成金がいる。しかし、その老婆が幸せとは見えない。中には、お金が増えたことで幸せを感じる人もいるだろう。苦労して貯めた金なら、達成感とか充実感があるはずだ。愚生の場合も、比較的裕福な家に生まれたせいで、大きな庭のある家に住んだ。しかし、自分で築いた物でないせいだろうか。誇る気もなければ、嬉しいという気持ちもなかった。親の持ち物などに、全く興味はなかったせいだ。一方、今住んでいる家は、猫の額のような庭しかないが愛着がある。そして、この地を離れる気は毛頭ない。自分で苦労して住宅ローンを払ったせいだろうか。幸せを、どのような時に感じるかと問われると考え込んでしまう。あるコラムでは、幸せを調べるために1か月分のレシートをとって置くという話が載っていた。自分が、どのようにお金を使ったかを確認すると、自分が何を大切にしているかが分かるからだという。自分にとってなくてはならないことが、自分が何をもって幸せと感じるかの表れだという。最ものような理屈だが、直に首を縦に振れない。愚生はこのような意見には異議を唱えたい。なぜかと言えば、自分が使ったレシ-トなどから、幸せ度が推測できるとは思えない。このコラムでは、続いて投資とはパソコンの前で株価の動きを見張るようなことではない。幸せのための投資をするなら、投資した資産の日々の値動きにとらわれず、複数の資産にじっくりと長くお金を置いておくことが大事だという。要するに、世界経済の成長に合った長期投資を勧めている。確かに、愚生ごときでも退職してからの人生は長い。途中でお金がショートすれば、確実に幸せを感じることはないだろう。しかし、お金がショートしないから幸せかどうかは、別の議論がありそうだ。ただ、幸せを放棄するような無謀な投資は、避けなければならない。同じような投資に見えても、個々の立場でそれぞれの位置づけは違う。持っていた土地が偶然に売れて、大金が転げ込んだ。こういう人が、自分の空いた土地に賃貸アパート建設するのは問題がないだろう。少子高齢化で入居者が少なくなれば、家賃を値下げしても破綻することはない。一方、手元資金もなく、収入も少ないのに、空き家の壊し料金から建設費までを借金をしてアパート建設をする。インフレになれば、借金は棒引きになって儲かるはずだ。しかし、今はデフレだから安い金利で銀行が金を貸す。だから、今のデフレが今後も続けば、借りた実質金利は決して安くはない。成功パターンは、金を借りたときはデフレで、借金を返し始めるとインフレになることだ。しかし、そんなに上手く世に中が動いてくれるだろうか。1990年ごろの土地バブル時に、無理をして大金を借りて、家を建てた人はその後のデフレで苦しんだ。自宅だから苦しむので済んだが、投機として土地を買ったひとは、ほとんど破綻しただろう。バブル期の越後湯沢のリゾートマンションや那須の別荘地など、今は「兵どもが夢のあと」と化している。
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