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2019年4月 8日 (月)

年々都心の中心に吸い寄せられていく

7cf04192c13eeb6d8989d8796ccc0068 勤め人を止めてから、もう10年になる。通勤を止めてしまうと、電車に乗らないせいで情報が遮断され無頓着になる。通勤に使った最寄り駅はともかく、出張もなくなれば他の電鉄路線の計画など、更々気にしなくなる。そういう愚生だが、久しぶりに鉄道の延伸計画などの情報が目に入った。それは40年前くらいからあった計画だが、やっと前進するのかという感もある。横浜市営地下鉄のあざみ野駅から延伸。多摩モノレールの町田駅への延伸。そして、開通が迫る相鉄線の東横線と相互直通運転だ。東海地方や関西方面などへの出張が多い人は東海道新幹線を利用することが多い。ただし、京浜地区に住んでいたとしても、東京駅まで行くのは遠いので、新横浜から乗ることが多い。何故なら、東海道新幹線は小田原駅に停車するが「のぞみ」は停車しない。選択肢として新横浜駅を使うしなかない。そういう理由もあって、神奈川を走る相鉄線は、2019年度下期にJR線と、2022年度下期には東急線と相互直通運転の開始を計画している。相鉄線とJR線、東急線との相互直通運転が実現すると、東海道新幹線に乗り換える新横浜駅へのアクセスが格段によくなる。また、横浜市西部や県央方面から都心へ乗り換えなしで結ばれ、通勤・通学の利便性向上する。例えば、海老名駅や湘南台駅から来た相鉄線の直通電車がJR線に乗り入れると、渋谷や新宿方面へ直通で行ける。二俣川駅から新宿駅までの所要時間は約44分で、横浜駅で乗り換えるより15分短縮される。住宅を購入する場合に、駅からの距離や物件の広さや規模にこだわる人が多い。相互直通運転が始まることを理由に、相鉄線沿線の不動産購入希望者が多くなっているという。相鉄線が都心乗り入れに熱心なのは別の理由もある。相鉄線の輸送人員は、1995年度の2億5141万人をピークに減少している。少子高齢化に加え、都心回帰が背景にあり、2004年度はピークと比べ約1割減の2億2493万人まで落ち込んでいる。相鉄は、「当社沿線は東京のベッドタウンとして発展してきた。通勤時間を縮めることで競争力を高めなければ、じり貧になるという強い危機感があった」と説明する。確かに、最後の大工事と呼ばれた小田急線の複々線化工事が完了した。そのため、通勤時間帯での競合地域から新宿へのアクセスが格段に良くなった。少子高齢化の中、輸送力やアクセスの良さが地域に大きく影響を及ぼすからだ。そうは言って、俯瞰すれば、都心からのアクセスを少し良くした程度では、地域の衰退は容易に避けられない。多摩ニュータウンや港北ニュータウンなどの大規模団地の衰退は、地下鉄やモノレールの延伸で大きく変わることはないだろう。千葉県の埋め立て地の団地群も同様だろう。都心回帰という流れは、少子高齢化で都心地価の値下がりを誘発し、年々都心の中心に吸い寄せられていくからだ。

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