劇場でどのくらいの期間上映すべきか
動画配信サービスのネットフリックスは、独自の新作映画を劇場で封切るのと同時、あるいは数週間程度の時間差でネットに配信している。ライバルのアマゾン・ドット・コムは、オリジナル作品の一部について、劇場先行期間を2-8週間程度とし、その後は動画配信サービス「プライム・ビデオ」で流すという。愚生なども、アマゾン・ゴールド・カードを持っているため、プライム会員の特典が自動的に使える。そういう理由もあって、ドラマや映画は、ほとんどアマゾン・プライム・ビデオで見ている。その結果、テレビでドラマや映画を録画をすることが極端に少なくなった。今、録画をセットしているのは、BBCが放送する刑事フォイルくらいだ。さらに、ネットTVの普及も盛んだから、趣味の将棋はすべてAbemaTVで見るようになった。こういう流れは、日本以上に米国では激しいだろう。そう思うと、レンタルDVDなど、いつまでビジネスが続くのだろうかと思う。このようなネットの新興テクノロジー企業の配信サービスは、長年続いたハリウッドの伝統をひっくり返しかねないという論争が起こっている。それは、新作映画がDVDになって発売されたり、ネット上で配信される前に、劇場でどのくらいの期間上映すべきかを巡る争いだ。今の先行期間は90日が平均だそうだ。一般的に、ネット企業などが総収入を増やすには、その期間短縮なども含めて議論されるだろう。一方、映画館のオーナーにとっては、これは死活問題だ。短期に映画館以外で鑑賞できるなら、業績悪化につながることは明らかだ。娯楽大手ウォルト・ディズニーですら、ネット配信事業への参入を表明している。そうなれば、同社もより早期の配信解禁を求めるようになる。ディズニーの幹部は、注目映画については、相応の時間差をつける現行のやり方を支持するとしている。ただ、映画館の良さは別の意味である。それは、暗い劇場で映画を見ることは特別な体験だからだ。映画館でファーストキスを経験した人の数は、実家のリビングよりもずっと多いといわれる。また、映画館に座って、暗くなっていく瞬間に勝るものなどないと語る俳優もいる。今のところ、百家争鳴だが、テレビドラマや映画も含め、技術革新を踏まえた議論になるだろう。愚生などは、映画館まで出かけて行って鑑賞するより、自宅で映画を見る方を好む。思い出せば、アダルトビデオがネット配信が主流になって以来、映画館で見ることはないだろう。特に、レンタルDVDで借りる人も減ったのではないだろうか。映画館での先行上映の期間が短くなれば、映画館に足を運ばない人が出てくる。仮に、ネットに顧客の10%を奪われてしまえば、映画館事業には大打撃だという。ネットフリックスが90本あまりの映画をネット配信する中で、2018年の興行収入は世界で過去最高の410億ドルに、米国とカナダでは計120億ドルに達した。そして、ネットフリックスは2月、米国とメキシコの合作映画「ローマ」で3部門でアカデミー賞を獲得した。ネットフリックス会員は、主にネットで映画を見る。劇場に行くお金がない人や、近くに映画館がない人からは、ネットフリックスは大きな支持を得ている。
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