市場は、いろいろ尤もらしい理屈をつけたがる
2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落した。前日比122ドル35セント安の2万6307ドル79セントで終えた。前日のFOMC後のパウエルFRB議長の記者会見を受け、米利下げ観測が後退したからだ。株式市場への資金流入が細るとの見方から、ハイテク株など幅広い銘柄に売りが出た。今回、パウエルFRB議長は記者会見で、足元の低インフレは一時的と指摘して、利下げ観測を否定した。それが原因で、金融緩和期待が相場上昇を支えていたため、持ち高調整の売りが出て、ダウ平均は一時250ドル近く下落した。特に、債券市場での米長期金利が上昇した。その結果、大幅に上げてきたハイテク銘柄の割高感から売られた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比12.868ポイント。市場関係者の解説では、FRBが利下げを否定したことで、今までの低金利期待相場が崩れた。それが原因で、ダウ・ナスダックスとも売られたという。どうも眉唾物の解説だ。本来、決算に向けて回復してきた株価が、決算明けで利益確定売りが出たとみるべきだ。次の四半期決算が出るのは、7月末から8月だ。この間、ヘッジファウンドの解約からSell in Mayを迎える。その後、夏休み休暇の7月~8月にさし掛かる。市場のコンピューターAI投資家はいるのだろうが、ファンドマネージャーはお休みに入る。休暇モードで8月くらいまでは、株のボラティリティはさえない動きだろう。そうであれば、当分キャシュポジションを厚くして、市場から離れていた方が安全だ。暴落場面に備えて、買い出動準備さえしておけば良い。センチメントから言っても、株価の材料出尽くし感で売りなのだろう。一方、原油関連もイラン産原油の禁止で、高値を付けたが、米国の在庫増などを背景に約1カ月ぶりの安値を付けた。その結果、エクソンモービルなど石油株が下落した。愚生の予感だが、株価はいったん調整相場に入るのではないのだろうか。何故なら、これまで12月に暴落した株価が急速に回復しすぎたからだ。市場では、いろいろ尤もらしい理屈をつけたがる。しかし、本音は決算後の利益確定売りを出したいのではないのか?
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