昨日、9195万円不正受給した阪大教授が解雇というニュースがあった。この教授は、セクハラも認定も受けたというからとんでもない教育者だ。阪大によると、青江教授(64)は、東京に自宅があったのに、「岡山県の借家から通勤する」と虚偽の賃貸借契約証明書などを提出して通勤・住居手当を不正受給した。東京への往復費用なども出張旅費として請求した。青江教授は、阪大に採用された2004年以降、計15年間で9195万円を不正に受け取った。愚生に言わせれば、ずいぶんケチな教授だと思ってしまう。ただ、この先生の経歴を見て驚いた。愚生より少しF社への入社が遅い。入社年や卒業年齢からみると、25歳学卒での入社だ。
1979年 成蹊大学法学部卒業後、
富士通に入社。1979年04月~1986年03月 富士通株式会社 商務部商務課
1991年12月~1992年12月 富士通株式会社 法務知的財産権本部プロジェクト課長
1992年12月~1994年04月 ブリュッセル駐在員事務所長
1998年04月~2001年10月 富士通株式会社 広報室長
2001年10月~2002年10月 富士通株式会社 経営戦略室 主席部長
2002年10月~2004年03月 富士通株式会社 CS経営推進室長
2004年~2019年08月大阪大学大学院高等司法研究科(法科大学院)教授。(同大教授の茶園成樹の推薦により、突然教授に就任)
2005年 特許庁工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験考査委員)
2010年 大阪大学知的財産センター長
2013年 大阪大学大学院法学研究科附属法政実務連携センター長、大阪大学智適塾塾長
文化庁コンピュータプログラムに係る著作権問題検討会委員
2019年 出張費の虚偽請求などで2004年以降の15年間で合計約9195万円を通勤・住居手当や出張旅費を不正請求して受け取っていたとして大阪大学を懲戒解雇。
F社の事務方は、東大法学部がやたらと多かったから成蹊大卒という人は珍しい。三菱財閥系の大学だから、安倍首相と同様に古が素性の良い人物なのだろう。1991年にプロジェクト課長というから、大卒・1979年入社ではトップの昇進だったようだ。次にブリュッセル駐在員事務所長というから、
親父さんが相当の名士で、本社にいられると煙たい存在だったのだろうか。愚生は事務方の資格と年棒の関係には疎いが、2004年に教授に転身する頃は、役員か役員一歩手前だったのだろう。ここで、大学教授に転身というから給与は大きく減ったに違いない。愚生には考えられない選択の転身だ。大学教授の肩書が欲しかったのか、それとも、富士通にいられない事情でもあったのだろうか。因みに、天下り先がなく「特許庁長官」でも富士通に来て、常務クラスという時代だった。しかし、良いところのお坊ちゃんなのだろうが、出張旅費の不正受給は「せこい」というしかない。恥を知れと言いたくなる。やったことは、岡山県内の借家から通勤するとの虚偽の届けを提出して、実際は大学内の施設に宿泊したという。こんなことが、どうして15年間も判らなかったのだろうか。通勤、住居手当の合計約1473万円を受け取り、さらに、東京の自宅に戻る際などは、出張に見せ掛けて大阪からの交通費を請求したという。その合計が日当や宿泊料も含めて合計約7522万円を不正受給していた。おまけに、国内外に知人や家族ら同伴で「出張」を繰り返したが、事実上の私的旅行だった。また、タクシー乗車券の不正使用も合計約199万円に上るという。こう聞くと、何か相当悪い奴だと言う気がするが、企業ではタクシー券の不正使用などは日常茶飯事だ。そして、交通費や接待費の不正請求はかなりあったことも事実だ。
ただし、F社の利益の棄損であって、国民の血税ではない。15年間で約9000万円とすれば600万円/年だ。その額は、富士通から転身して減じた年棒の補填のつもりだったのだろうか。気の毒だが、公表されたところを見れば、諭旨解雇ではなく懲戒解雇だった。不正受給の金利付補填の返還と退職金や年金がなくなり悲惨な結果になった。事務方のような成果が著に分からない部門の成績評価は難しい。愚生の富士通への所感は、ヤクザな会社で権謀術数下での権力闘争が多かった。しかし、それが企業の活力を呼び起こした。
愚生も粗末な甲冑を纏って戦った当時を懐かしく思いだす。それを思うと、青江氏の所業はF社OBとして恥ずかしい限りだ。
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