驕るヤマトは、久しからず
クロネコヤマトは、宅配便の配達員の採用計画を見直すという。夜間中心の配達員を2019年度中に1万人の確保の計画時期を先送りする。その理由は、宅配便の取扱数が想定を大きく下回るからだ。ヤマトHDは宅配便の売り上げが全体の8割を占める。取扱数が業績を左右する生命線になることは自明だ。2019年度は制限していた荷受けを3年ぶりに拡大したて、前年度比4%増を目標に掲げた。しかし、4~9月は前年同期比0.6%増にとどまった。やはり、2017年秋の値上げを機に大口の法人顧客が離れたためだ。今年は、10月以降も取扱数は伸び悩むとの見方だ。つまり、雇いすぎると人件費などのコスト増を吸収するだけの仕事がなければ利益が減少する。仕事が多過ぎるから減らして従業員の待遇を改善すると言っていたのは、つい数年前だ。愚生は仕事が多いから減らすという企業方針に、いささか穿った目で見ていた。先代経営者が血のにじむ思いで開拓してきた市場を、自ら忙しいと他社に明け渡すのだから驚く。一度、市場を手放せば容易に客は戻ってこない。本来は、仕事を効率よくする施策を考えるのが筋ではないかと思った。愚生宅にも、通販で買った物をクロネコ便で届ける数が大きく減った。それは、通販最大手のアマゾンがアマゾン・デリバーという宅配組織を立ち上げたからだ。アマゾンの商品の多くは、この業者が取り扱うようになったからだ。ヤマトHDの人手不足の緩和に向けた現場改革はよいことだ。しかし、トップの座に胡坐をかいているうちに、他業者が市場に参入して劣勢になってしまったようだ。インターネット通販の拡大で荷物数が増加する中、ヤマトHDの仕事量が伸びないのは不思議だ。それは、どこかの宅配業者がその分大きく伸びていることを示す。つまり、ヤマトHDの市場が他者に侵食されているということだ。驕るヤマトは、久しからずという事だろう。
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