不動産の価値が下落するのは必然
昨日、不動産バブルが弾けたと書いたが、愚生宅付近ではなく友人が住む千葉あたりの物件も調べてみた。実際の物件でなければ、感覚がつかめないので昔を思い浮かべた。愚生が最初に住んだのは、川崎市の丘陵を切り開いた団地だった。バス便しかなく通勤に不便な場所だった。昭和40年代後半に建設された団地だったが、当時はそのような物件ばかりだった。壁芯で50㎡、内法面積で46㎡くらいだったろうか。愚生の友人宅も京葉線沿線の千葉市美浜区の埋め立て地に建てられた同様の物件だ。昭和50年代後半に、愚生も友人も1200万円くらいで買った。愚生は通勤が不便なため、3年後に1340万円で売却した。経費を考えればトントンだろうが、3年間住んだので不満はなかった。今、いくらくらいかと調べってみると、両物件(川崎市、千葉市)とも最安値は450万円くらいで出ているから、その価格では売れないという事だ。なにせ、築48年というからマンションの耐用年数に近い。しかし、最近は見直されて100年間は持つというから、まだまだ住めるらしい。しかし、最近は新しいアパート建設が盛んだから、古いエレベーターもない団地を欲しいという実需は少ない。賃貸に貸し出しても、借り手がいるか怪しい。実際の成約があれとすれば、200万円~300万円くらいだろうか。愚生なら換金性が悪いから、その価格でも買わない。その後、田園都市沿線の駅徒歩3分というマンションに変った。そして、仕事や家庭の事情もあって土地バブル最盛期に買値の2.6倍くらいの高値で売払って、今の場所に移った。前に住んでいたマンションの中古価格を調べると、さすがに愚生が売った価格には届かないが、購入額よりは高い価格で売りだされている。愚生が購入時は、F社の不動産部門に依頼したため交渉で200万円引きでの成約だった。それは、今の売り主の販売希望価格と同程度だ。F社は節操がなく好きではないが、この時ばかりは売り主の心情など配慮せずに買い叩くから心強いと感心した。千葉の友人も愚生同様に、習志野市の埋め立て地に、ファミリー型の団地に移ったが、今では購入時の半値以下に下がっていた。千葉の物件を長期保有して、将来は家賃収入を得ると言っていた友人の懐具合は大丈夫だろうか。どうも、横浜市の電車便が良い物件は、千葉よりずいぶん値持ちが良いようだ。やはり、人口がそうさせるのだろうか。少子高齢化で、人口は右肩下がりの減少だ。人口が減少しても、新しい住宅を建てたい、購入したいと思う人は絶えずいる。しかし、もうすぐに高齢化率は30%を超え、団塊の世代の人口も減少する。そうなると空き家が急増し、地方だけでなく東京でも住宅供給数が、総世帯数を上回る。今後、不動産の価値が下落するのは必然のような気がする。そうでなくとも、デフレであれば物価が下落し、消費が抑えられる。その結果、不動産の価値も下落する。1990〜2010年のマイナス成長のときには、すべての地価が下がり続けた。地方の住宅地では、今も下がり続けている。株価がピークアウトすると、それから半年から1年遅れて、地価が下がり始めると言われている。2018年9月28日の日経平均株価は、一時1月23日の取引時間中の高値(24,129円)を更新し、26年10カ月ぶりの高値水準を付けたからピークアウトか。そして、2022年には、都市部の生産緑地が一斉に買い取り請求が可能になる。それは、1992年に都市部の一部の農地を生産緑地として指定し、固定資産税や相続税の優遇措置を与える代わりに、30年間の営農義務を課した。2022年になると、30年間の営農義務が解除され、自治体に買い取り請求が可能になるからだ。また、買い取られない場合は、転用や売却が可能となるため、不動産市場に流入してくる。面白いことに、不動産も投資のひとつだ。だから、価格には人間の心理が関係する。価格が下落する原因は何であっても、一旦下がり始めると、人間の心理が暴落に拍車をかける。大半の人が値上がりするだろうと考えていた場合でも、一足先に売り抜けようと考える人が少しずつ増える。すると、少しでも早く売ってしまいたいという心理の人が増え、地価はどんどん下落する。東京オリンピックの前後で「売るべき」と思う人が増えれば、不動産の価格はその前に下落してしまう可能性がある。確実なことは、団塊世代の減少で2019年を境に世帯総数も減り始める。すでに住宅は供給過多になってきていることは事実だ。価格が高騰しているのは東京のごく一部の地域だけだ。特に、外国人の爆買いも、中国政府による外貨持ち出し制限などにより、見られなくなってきたという。最近は、中古マンション市場では、緩やかな値下がりが始まった。ここ2〜3年の間に完成した、都心の新築タワーマンションは空室が目立ち、いつまでも買い手が見つからない状態だ。需要と供給のバランスをみれば、ほぼ完全に供給過多の状態だ。供給側が売り出し価格を下げないため、価格の下落はみられないが、いつか必ず下落することは確かだ。
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