「南箱根ダイヤランド」という別荘
ブラウザの広告に、「南箱根ダイヤランド」という売り物件が載っていた。懐かしさもあって、つい売り出し価格を見てしまった。土地バブルの真っ盛りの1989年11月 ( 築31年 )に建てられた建物面積86.11m² (内法)土地面積243m² (公簿)の間取り2LDKの別荘だ。この頃、愚生は横浜のマンション住まいだった。土地バブルで値段が跳ね上がったため、戸建ては諦めていた。東急不動産は、愚生のマンションの最寄駅から徒歩12分、土地50坪の建売リ住宅を「2億5千万円」で分譲していた。しかし、すぐに完売したのを見て金持ちはたくさんいるものだと感心した。そういうわけで、別荘でもと思いこの物件に注目していた。1970年(昭和45年)頃から開発が始まり、2019年現在で総区画約4150区画、総棟数約2600棟も販売された。富士山が一望できる絶景の温泉付きの別荘地だ。今は定住世帯約1000世帯、定住人口約1700人とあるから、別荘ではなく本宅として移り住んだ人も多いようだ。敷地内には4つの温泉源泉があり、各別荘へと供給されている。愚生が見た1989年に分譲された別荘は、記憶では3000万円くらいだったと思う。傾斜地に建つため、敷地は70坪あってもさほど広くはない。今の中古価格は、平均的なもので400万円~800万円くらいで売りだされていた。売り主の希望価格だろうから、その価格以上では売れないということだ。現況、居住中というから、なんらかの理由があって別荘を離れるのだろう。詳しくは書いてないが、温泉の利用料や管理費が安くはなかった気がする。住まいの写真には、流しの洗い場は雑然として、シングルベットが一つしか映っていない。どうも、男の一人住まいかと思われる。風光明媚な場所だが、冬は寒く永住するには勇気がいる。愚生も狂乱土地バブル時代には、邱永漢氏の著作を読み漁った。その中で、別荘など持つものではないとあった。その金があったら、毎年違った場所に遊びに行けばよいという。それを読んで、思いとどまった気がする。その後、清水の舞台から飛び降りる気で住宅ローンを組んで、今の地に越してきた。当時、真野あずさが、借金も甲斐性の内といって、杉並に土地を買ったという記事を読んだ。あれから30年経つが、全国の平均では未だに住宅地の価格は右肩下がりだ。都内の住宅地は多少上昇というが、三分の一や五分の一に下がった土地値のリバウンドだろう。愚生宅の近くも、年寄りが長生きのせいでお金が細り、介護施設への入居金作りにと、土地の売り物件が出ている。しかし、実需と相場が合わないで売れ残っている。売却希望価格と買い手とのギャップは大きいようだ。いずれにしろ、少子高齢化の時代に不動産価格など平均的な物価指数より下がるに決まっている。地方の物件など、不可逆的な換金の悪さが致命的だ。そう思うと、「自宅以外は決して不動産を持つべきでない」という愚生の座右の銘が説得力を増す。
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