クラウドサービス導入が進む
1月31日午後の米株式市場でダウ工業株30種平均が一段安となり、下げ幅は一時540ドルを超えた。ここでも感染拡大で世界景気に悪影響が及ぶとの懸念が強まり、運用リスクを回避する目的売り出た。さらに、英国内で新型肺炎の感染者が初めて確認されたことも拍車をかけた。このところ、世界中で中国発祥の新型ウイルス感染が急速に広がっている。米国務省は30日に、正式に中国への「渡航中止・退避勧告」を発表した。感染拡大による世界経済への悪影響に現実味が増してきた気がする。日本も湖北省からの中国人の入国を禁止した。ただ、旧正月が明ける2月3日には、中国本土市場で株式の取引が再開される。新型肺炎の影響で、休場明け後の中国株式がどれだけ大幅に下落するのだろうか。中国株の急落による米株式相場の一段の下落を見越して、投機筋が事前に米株価指先物を売る動きも出たようだ。その中で、米アマゾン・ドット・コムの株価だけが急騰した。時価総額は一時1兆ドル(約109兆円)を超えた。2019年10~12月期決算の発表では、純利益が前年同期比8%増の32億6800万ドルに拡大。10~12月期は全体の営業利益の7割を占めるクラウドサービス「AWS」が大きく伸びた。ネット通販事業は物流網の拡大コストや人件費が増加したものの、新規会員の獲得や販売増による売上高の伸びで吸収した。その証拠にプライム会員数は一年で5千万人増え1億5千万人となった。全体の売上高は21%増の874億3700万ドル。うち半分を占める直営のネット通販事業は15%増の456億5700万ドルだった。小売大手との競争が激化する中、米国を中心に有料の「プライム」会員向けの翌日配送サービスが顧客の支持を得たようだ。また、愚生も使っているがアマゾン製のAIスピーカーが爆売れしたという。ここまでアマゾン株が急騰した理由は、厳密には決算が悪いと予想していた投資家が、事前に大量にアマゾン株をカラ売りしていたからだろう。その予想が外れたため買戻しが多かっただろう。クラウドサービス「AWS」が大きく伸びて32%といっても、マイクロソフトの伸び率62%には及ばない。ただ、数量的にはアマゾンのシェアが大きいため、同程度の増加だろう。一方、Eコマースは価格競争力で利益は薄利だと思っていたが、プライム会員が一年で50%も増えたことが好決算に結びついた。この先は分からないが、5Gが進めば情報量は各段に増える。その結果、効率の良いクラウドサービス導入が進むであろう。そのトップシェアを争うマイクロソフトとアマゾンの勝敗が見ものだ。愚生は、マイクロソフトに一票入れたい。
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