« 不動産の価値を測る手法「収益還元法」 | トップページ | 韓国の不貞は日本に限った話ではない »

2020年1月15日 (水)

富士フイルムはゼロックスとの契約を解消

P1 ファナックの稲葉清右衛門と同様に、富士フイルムHDの古森重隆CEO(80)は、2000年の社長就任から事実上トップに君臨している。老害といっても、本人の耳には届かない。オーナー企業ならまだしも、従業員からのたたき上げのトップだ。身の退き方の美学はないようだ。その古森氏は半世紀にわたる米ゼロックスとの合弁を解消し、単独ブランドで事務機の世界販売を始める。当初はゼロックスを買収する計画だったのが、物言う株主の反対に遭いとん挫。その結果、富士フイルムはゼロックスから事務機子会社、富士ゼロックスの残り全株を約2500億円で買い取り完全子会社にした。今後は、ゼロックスはライバルとして欧米市場で対峙することになる。半世紀にわたるゼロックスと富士フイルムの合弁契約が終了した。今後は、ゼロックスとの市場のすみ分けが無くなるため、事務機の販売が自由にできる。ゼロックス側にも隠れた狙いがあった。2019年6月にゼロックスが低価格帯の製品調達をHPに集約すると発表した。そして、富士フイルムへの富士ゼロックス株売却交渉を進める一方、ひそかにHPに買収を打診した。要するに、富士ゼロックス株の売却資金をHPの買収に充てる。富士フイルムは、これまで販売やブランドの協業を定めたゼロックスとの技術契約の解消に向けた準備を進める。1962年の合弁発足時は、富士ゼロックスは単なる販売会社だった。その後、半世紀がたち技術力は逆転し、今は主力製品の大半を富士ゼロックスが供給する。ゼロックスとの提携は、ブランド使用料としてゼロックスに毎年100億円超を支払うほか、特許の使用権もゼロックスに有利な条件だった。今後、ゼロックスは調達先を切り替えるだろう。しかし、実際は提携の解消後も、5年間は富士ゼロックスから調達を続ける。いずれは、ゼロックスが富士ゼロックスからの調達を減らすだろうが、すぐに他社に切り替えるのは難しい。一方、富士ゼロックスは欧米に進出したとしても、ゼロックス以外にOEM供給は容易ではないだろう。夕日を拝むような沈む市場に、富士フイルムが大金をはたいて市場参入する意味はあるのだろうか。株式市場は、合弁解消で事務機の成長戦略が明確になったと富士フイルムを評価する。1月9日、株価は約12年ぶりに上場来高値を更新した。しかし、この業界を知る愚生には、そうした楽観視はしない。ゼロックスブランドから自社ブランドに切り替える2021年4月以降は、ゼロックスと市場で競うことになる。主戦場のアジアでは、富士ゼロックスが培ったブランド価値は、そのままゼロックスに有利に働く。富士フイルムが立ち上げる新ブランドが失速する可能性もある。昨日に聞けば明日が見えるというが、明日のことは予想しがたい。高みの見物の愚生にはどうでも良い話だが、株が先走りし過ぎている気がする。

|

« 不動産の価値を測る手法「収益還元法」 | トップページ | 韓国の不貞は日本に限った話ではない »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 不動産の価値を測る手法「収益還元法」 | トップページ | 韓国の不貞は日本に限った話ではない »