欲に駆られて実行できないことが問題
13日の米株式市場は反発し、ダウ工業株30種平均は前日比1985ドル00セント(9.4%)高の2万3185ドル62セントで取引を終えた。上げ幅は過去最大だという。今度は、トランプ米大統領が、新型コロナウイルスに関して国家非常事態を宣言し、政策を総動員する姿勢を示したことで、投資家が安心したという理由だ。昨日の金曜日は、メジャーSQ日で先物取引の決算日だった。愚生は先物を売っていた投資家、競って買い戻しに走ったのが原因だと思う。要するに、売っていた連中が精算で買い戻したから、大引けで急伸したのだろう。いずれにしても、SQの清算日では下がった株は買戻し、上がったものは反対売買される。今週は1日の騰落幅が5日連続で1000ドル超えた。実態経済とは乖離して、需給だけで株価が決まっているような気もする。トランプ米大統領の会見は、13日米東部時間午後3時半すぎに始まった。その中で、連邦予算を活用し検査や治療の態勢を強化すると述べた。その結果なのだろうか、取引終了間際にかけて株価が急上昇した。個別株をみると、前日の反動で、値ごろ感の出た銘柄を中心に買われた。ハイテク株ではアップルが12%高、マイクロソフトが14%高となった。しかし、週間で見ると13日は反発したものの、前週末比では下落し、週間の下げ幅は2679ドルとなった。やはり、前日(12日)に歴史的な急落を記録した2352ドルの下げが効いている。今回の暴落で、信用取引の証拠金不足で清算させられて退場した投資家も多いだろう。ところで、「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、株券を保有することは、その企業やビジネスが生み出す富の持分、オーナーシップであると考える。証券としての株式を買うのではなく、企業全体の価値を買うと考えている。彼はその企業が、今後利益を生み続けるかを考え、株式市場で刻一刻とトレードされている株価などは気にしない。そして、その企業のビジネスに確信が持てる場合は、株価は下がった方が有り難いと言う。なぜなら、継続的に買い増しが可能だからだ。要するに、株価が下落したほうが、同じ「価値」を持つものをより安い「価格」で買うことができる。例えば、アマゾンの株式に投資すれば、ジェフ・ベゾスという鬼才経営者が働いてくれる。ディズニー株に投資すれば、ミッキーマウスが世界中のディズニーランドで稼いでくれる。そして、ウォーレン・バフェット氏は、株は現物買いに徹して、レバレッジ(借金)をかけた投資をしないという。自分が価値あると思う企業を現物買いして、長期投資に徹するのが儲かる秘訣だそうだ。確かに、短期売買をしても成功率はよくて50%だろう。下がった時は売りたい気分、上がった時は買いたい気分だ。これでは、損する確率の方が遥かに高くなる。そう考えれば、バフェット氏の言うことは至極当然だ。それを頭で分かっていて、欲に駆られて実行できないことが問題だ。
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