今はその3分の1の「1バレル20ドル」
昨日に続いて原油価格が気になる。トランプ米大統領は、サウジアラビアとロシアが減産に応じるとの見通しを示したが事実だろうか。ツイッターには、サウジのサルマン皇太子との電話会談の結果、サウジとロシア両国が「日量約1千万バレル減産する見通し」になったとの認識を示したという。ただ、今まで産油国による協調減産が上手くいかず決裂したのが、一転合意できるのだろうか。仮に合意したなら、原油価格が18年ぶりの安値となったことが、両国の背中を押したのだろう。いずれにしても、原油価格の低迷で米国の関連企業が破綻するなど悪影響は出たが、それよりもサウジアラビアやロシアはもっと返り血を浴びただろう。ただ、合意に懐疑的な見方もあり金曜日には原油は一転下落した。2019年から2020年の年初にかけて「1バレル 50~60ドル」で取引されていた原油が、今はその3分の1の「1バレル20ドル」付近だ。長く続けば石油産出国の経済は破綻する。そう考えれば、このままの原油価格の安値放置が続くとは考えにくい。ここでいう1バレルとは「樽」を意味して、1バレル=約159リットルだ。代表的な原油の指標は、米国の「WTI原油先物」だ。原油が安くなる原因の一つに武漢ウイルスがあげられる。確かに航空機の減便や工場の生産停止が相次いでいる。これまでの経緯を辿れば、産油国はシェールガスを追い出すために、原油の産出量を増やし原油価格を引き下げた。しかし、原油の収入に頼っている産油国は、原油価格の下落で収入が減ってしまった。そこで、産油国は協調減産した。しかし、2020年3月上旬にOPECとロシアなどの非加盟産油国との減産強化の交渉が決裂。その結果、今回のように供給が多くなり原油の価格が下がった。いずれ、武漢ウイルスの感染が収まるだろう。原油の下落の要因の一つはなくなる。一方減産については、増産によって原油価格が下がっている状態は、産油国の経済が回らなくなる。いずれは、再び協調減産が始まることは確かだ。そう考えれば、原油価格も上る。思い出せば、リーマンショック時も原油価格は急落した。1バレル140ドルまで上がっていた原油価格は、半年で40ドルまで急落した。前回は景気後退による原油の需要減が原因だった。その後は景気回復に合わせて上昇した。そう予想する向きが多いため、愚生も原油ETFを買った。風が吹けば桶屋が儲かるだろうか。
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