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2020年5月31日 (日)

5万社がなくなることになる

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武漢ウイルスの拡大感染の影響で、うどんすきで知られる料亭「東京美々卯(みみう)」は首都圏の全店舗を閉めた。大阪本店からのれん分けした東京法人は、清算の道を選んだ。東京では、なじみが薄い店だが、関西で知らない人はいないだろう。東京は、どちらかといえば蕎麦が好まれる。そして、その真っ黒な汁は、うどんでも同様だ。一方、関西といえば、うどんが好まれる。そして、汁は透明感がある薄い色だ。愚生もサラリーマン時代は、製造部がある明石工場に出張した。デバックするため、一年の半分以上も西明石駅近辺のホテル住まいだったこともある。かみさんからは、「明石原人」と呼ばれ、子供たちと遊んでやる暇もなかった。そのころ、関西ではうどん定食をよくたべた。F社の明石工場の従業員食堂や町の定食屋にもうどんメニューが多かった。しかし、その当時は「美々卯(みみう)」といえば、高級店だったため自腹で店に行くことはなかった。機会があるといえば、後になって大阪へ商談で出張した際、地元の営業マンに奢ってもらった時くらいだった。梅田駅近辺で、よく「うどんすき」をご馳走になった。煮立った鍋に、生きたエビを入れるという料理だったから、値段は高かっただろう。愚生も会社の金だと思って、高いビールやつまみを飲み食いした。昭和60年頃は、会社も煩く言わなかったのでサラリーマンとして良い時代だった。今回、「東京美々卯(みみう)」が精算というから、知っていた名前だけに寂しい限りだ。大手のうどんチェーンでも精算というから、中小企業の休廃業や解散の予想は察しがつく。中小企業は日本の雇用の7割を占める。ただでさえ、経営者の高齢化や人手不足で事業承継問題が深刻化している。そこに武漢ウイルスによる需要減が追い打ちとなれば、2020年の休廃業と解散は2019年比15%増の5万件に膨らむという。つまり、5万社がなくなることになる。山形市の漬物店、丸八やたら漬は、1885年創業で、国の登録有形文化財の蔵と一体になった店だ。その店でさえも、観光客の急減で4~5月の売上高は例年の6割減となり、31日に閉店して6月末メドに自主廃業する。中小・零細企業が自主的な休廃業を選ぶ理由は、武漢ウイルス対応には新たな投資が必要だ。その資金を工面する体力がない中小・零細企業は、市場から去りゆくしかない。東京・銀座の老舗弁当店も、設備投資をしても、回収できる見込みがないから、廃業を選んだ。失業の心配のない公務員や苦労をしたことのない二世議員に中小企業対策などできるのだろうか。

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