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2020年7月21日 (火)

IBMクラウド関連事業は30%増

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米IBMが20日に発表した第2・四半期決算は、減収減益となったものの、売上高と調整後の1株利益が予想を上回った。利益率の高いクラウドコンピューティング事業が堅調だったことが貢献した。決算発表を受け、株価は時間外取引で約6%(日本時間21日午前8時現在4.39%)上昇している。売上高は181億2千万ドルと5.4%減少したものの、アナリスト予想の177億2千万ドルは上回った。利益は13億6千万ドル(1株当り1.52ドル)と、前年同期の25億ドル(同2.81ドル)から減少した。ただ、特別項目を除いた1株利益は2.18ドルと、予想の2.07ドルを上回った。部門別では、昨年買収したソフトウエアのレッドハットを含むクラウド&コグニティブ・ソフトウエアが3%増、メインフレーム(汎用コンピュータ)を含むシステムが6%増だった。複数の部門にまたがるクラウド関連事業の収入は30%増の63億ドルと好調だった。一方、企業のIT導入を支援するコンサルティングサービスなどを含む部門は振るわなかった。どうも、コンサルティングで身を立てるという方針がクラウドへの移行で上手くいっていないようだ。地域別では、西欧とアジア太平洋で6月に顧客の支出が増加した。ところで、愚生はIBMという青地にIBMという横縞ロゴに畏敬の念がある。愚生がF社に入社した頃は、コンピュータ業界は白雪姫と7人の小人に例えられた「IBMと7人の小人」と言われる時代だった。その成功をもたらしたIBM System/360は、IBMをメインフレームの巨人へと押し上げた。1967年頃の大型コンピュータにおける米国メーカーの出荷高の7割以上をIBM が占めた。そして、他社を圧倒してメインフレーム市場をほぼ独占した。7人の小人と呼ばれる他の7社は、UNIVAC、Honeywell、GE、CDC、RCA、NCR、バロースで、数%ずつのシェアを分け合った。そういうわけで、F社とIBMとの戦いは、巨像に身の程知らない蟻が挑むようなものだった。F社内には、IBMのメインフレームや周辺機器が所狭しに並んでいた。どれも洗練された素晴らしいとしかいいようのない製品だった。愚生の目には、無謀な戦いにしか映らなかった。入社したての愚生は、IBMの英文ドキュメントを読み、IBMの保守マニュアルにある英文の回路図を調べた。どれも完成度が素晴らしく感激したものだ。正に、長宗我部元親の一領具足の技術者ばかりで、豊臣秀長の四国征伐軍10万に挑むようなものだった。ただ、日本は極東の漢字文化だったことが幸いし、欧州のメーカーより多少時間のゆとりがあった。その間隙に、なんとか竹槍で挑んで生き残った。その世界を席巻したIBMも、パソコンの台頭と共にマイクロソフト帝国の前に影が薄くなった。盛者必衰の世の中だとつくづく思う。

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