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2020年7月12日 (日)

将棋団体戦のライブ放送は アスリート戦のような臨場感

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昨日は、プロ将棋界初の団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の決勝トーナメント1回戦、チーム三浦とチーム広瀬を観戦した。チーム三浦がカド番で迎えた第8局、チーム三浦・高野智史五段がチーム広瀬・青嶋未来六段に勝利し、チーム敗退の危機を救った。対局後、高野五段は開口一番「生きた心地がしなかった」と、言葉を絞り出す。続いて、「苦しい将棋だったかなと思います。心は折れずに頑張れたのかなと思います」と、笑みがこぼれた。愚生も見ていて思ったことは、個人戦と違い団体戦のプレッシャーはすごい。この試合、青嶋六段が四間飛車穴熊を採用。堅い守備に支えられた攻撃に高野五段は、押され気味の展開だった。しかし、師匠・木村王位譲りの受けの妙手で、相手の攻めを受け潰した。最後の一戦は、タイトル経験者、順位戦A級同士とも言うべき超ハイレベルな戦いだった。先手の三浦九段が居飛車で指し進めたところ、広瀬八段は四間飛車の対抗形で応戦した。序盤・中盤と少しずつリードを奪った三浦九段が、「最後の最後に詰みがないというところで勝利を確信した」というほど、トップ棋士でも形勢判断ができない大激戦となった。5勝先取りルールで、5勝4敗だから死闘をつくしたという感がある。予選リーグでも、チーム豊島とポイントで並び、豊島将之竜王・名人と三浦リーダー同士の一番勝負で勝利し、勝ち上がった。三浦九段は、自ら「これまで関わりがない人を」ドラフトで指名し、その若手棋士2人と、一緒に戦うことで絆を作ってきた。そしてこの日も、追い詰められたところから4勝4敗と並んで、リーダー同士の決着局だった。「チームのみんなの思いがあったので。正直、広瀬さんに勝つのは厳しいと思っていたし、勝つ確率は薄かったんですが、本局はたまたま私の勝利になった」と、最後まで謙遜しつつ、仲間とともに戦ったことが力になったことを口にした。雪深い北陸の田舎に育った愚生は、冬の間は家に閉じこもることが多かった。そのせいで、少しばかり将棋を知っている。将棋は暗い個人戦という印象が強い。しかし、フィッシャールールでの将棋団体戦をインターネットでライブ放送すれば、アスリート戦のような臨場感がある。そして、出場棋士が異口同音に緊張するという。対局中の棋士の表情や、対局後の感想の無念さや安ど感に人情味が溢れる。負けたチーム広瀬で、三連敗をした青島六段の無念な顔と二勝一敗で勝ち越した黒沢五段の清々しい顔が印象的だった。ちなみに、第3回AbemaTVトーナメントの優勝賞金は1000万円というから、薄給の棋士には少ない金額ではない。

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