祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
米インテルのCEOは決算発表で、半導体の自社生産をやめる可能性について、1時間近くを説明した。その結果、一夜明けた米株式市場で、インテル株は一時▲18%も下げた。半導体業界では、生産の外部委託は珍しくない。しかし、インテルと言えば、設計と自社生産を50年に亘ってやってきた企業だ。今頃になって、それを変更する理由は、新製品生産プロセスに遅れが生じているからだという。そして、インテルは他社のプロセス技術を導入し、自社で生産することを止めることを検討している。その結果、損益は大きく改善するだろう。しかし、インテルは最大の同業他社との差別化要因を失うことになる。愚生はこういう話しを耳にすると、Intel insideとWintelと呼ばれた全盛期を懐かしく思う。平家物語の冒頭に「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」とある。何時までも、企業が繁栄する補償などない。あの一世を風靡したIBMでもそうだった。マイクロソフトにして同様だ。ところで、例外なのは金地金の値打ちだろう。2011年以降で、初めて1オンス=1900ドルを突破し、同年に付けた過去最高値に迫ってきた。愚生もその当時は、SPDRの金地金の債権に投資していたことを思い出す。政治的な緊張の高まりや世界経済の成長を巡る懸念が、ドル紙幣の信頼を失くし、金への逃避に拍車を掛けているようだ。ところで、昨日はAbemaTVで、団体戦のチーム永瀬とチーム天彦の対局を観戦していた。インターネットに社会基盤がシフトすることで、テレビの広告宣伝費で潤っていた電通にも陰りが見えてきた。そして、必要もない4Kや8kテレビの技術開発をするNHKも同様だ。平家物語の冒頭に続く「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。」と栄華を極めたとしても、必ず終わりがくるという、この世の無常を説いた言葉が身に染みる。
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