年老いて階段を使った上下移動は大変
昨日は嫁入り道具で持ってきた、二階にあった大物のタンスを解体した。M市役所に、引き取ってもらうにも、玄関先まで出さなければならないからだ。引っ越しの時に業者が、二階の窓から搬入したタンスは、どうしても出せそうにない。二十数年前に家を建て替えたときは、もうタンスは出すことなどないと思っていた。しかし、老いが迫ってくると、できることは早めにしようと思うようになった。来週、長男が搬出に手伝いに来てくれるが、それまでにと思いチェーンソーで解体した。何故愚生がチェーンソーを持っているかというと、隣家から愚生宅の茂ったカイズカイブキにクレームがついたからだ。その時に、チェーンソーを買って10本以上のカイズカイブキを切った。その後も、カクレミノや松、モミジなど、多くの木を切った。植物の生存競争も厳しい。大きな木を切り倒すと、その下で雌伏していた木が、急に伸びて大きくなる。猫の額のような愚生宅の庭は、その陣取り合戦の繰り返しだった。矮小宅地が広がる地域のため、庭がない家も多い。木を切ると、近所からもったいないという声も聞こえた。しかし、不釣り合いな大木を庭に放置すれば、いずれ手がかかると思い切った。そのせいで、チェーンソーの使い方が上手くなった。世の中、何が幸いするか判らない。ところで、愚生宅は水回りの一部が二階にある。ミサワホームは、住まいは一生かけて手に入れる大切な「財産」だという。いったん入手してからは手を加えることなく大切に使い続け、子どもに引き継いでいくという話に乗せられた。100年住宅と言って愚生に家を建てさせたが、年老いてからの階段を使った上下移動は大変だ。長い老後をどう過ごすかを真剣に考えれば、住まいは暮らしを支える生活空間だ。そう考えると、リフォームを検討する時代が始まっている。しかし、規格住宅で建てた家は、型式で建築確認申請が行われている。また、ハウスメーカーの家は、どれも面で支えるモノコック工法だ。現実に6面体で強度計算された家を改造することは、容易ではない。可能ではあるが、莫大なコストがかかる。建設時に、将来を配慮してバリアフリー対策はなされた家だ。しかし、上下階を移動するホームエレベータなどは配慮されていない。設置には構造強度が対応していることを証明した上で、所轄の行政庁に確認申請を行う必要がある。建築時の剛体設計の中にホームエレベータが入っていなければ、4号住宅は建築確認申請が不要と言っても設置は無理だ。M市役所にも相談して、一か月くらい調べたがほぼ無理だと悟った。どうも4号住宅の緩和処置は、ホームエレベータではなく「いす式階段昇降機」の設置のためのものだ。そこで、いす式昇降機を取り付ければ、二階から大物の出し入れはできなくなる。話は長くなったが、それが最初に戻って大物タンスの解体要件だった。愚生の母や義母の家も、バリアフリー化して改修した。しかし、本人が介護施設に移ると、いくらも住まないうちに解体や放置の憂き目にあっている。無駄なことだと、つくづく思う。そういう愚生も、明日は我が身かもしれない。
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