« 都合の良い時だけの自由主義経済 | トップページ | 空室率の上昇でキャシュフローが不足 »

2020年8月 6日 (木)

3連勝で王位奪取にあと1勝

Sot20080605030002p1
昨日は、朝から王位戦第三局を観戦した。最近は、便利なもので車中(小田急ロマンスカー)でも、スマホで対局が観戦可能だ。地上波やBSを使ったテレビ映像器など、本当に必要なのかと考え直したくなる。ところで、王位戦は最年少タイトルホルダーの藤井聡太棋聖(18)が、149手で木村一基王位(47)に勝利した。これで、3連勝で王位奪取にあと1勝とし、最年少2冠に王手をかけた。AbemaTVでは、AIの次の一手が出るため棋士の指した手の評価値が出る。序中盤のような指し手が広い場面では、必ずしもAIの手が最善だと思えないことは多い。しかし、終盤の詰みが近くなった場面では、AIは絶対に間違わない。今回の棋戦でも、藤井棋聖が終盤で「3連続でミスを犯した」と指摘される。しかし、それに動揺せずポーカーフェースで指し続け、木村王位に気付かせなかった。そして、藤井棋聖は見事に難局を乗り切り勝利を得た。愚生も、藤井棋聖の勝利を確信して、楽観して見ていた。しかし、121手目の▲2一銀打では、評価値が「イーブン」になったのでおかしいと思った。木村王位が正しく指せば、木村玉を上部へ逃がすことになったようだ。そうなれば、勝負は分からなかった。終局後、藤井棋聖も「負けにしてしまったと思った」と振り返っていたから、間違いに気づいていたようだ。藤井棋聖がこんなミスをするのは珍しいため、疲れや気の緩みがあったのだろうか。しかし、驚いたのは、大ピンチに陥っていたことを一切表情に出さなかったことだろう。一方の木村王位も、得意の受けで痛恨のミスを犯し、こちらは逆転の機会を逃してしまった。人がやることだから、間違いはつきものだ。AIがいくら強くなっても、無機質なものからは感動は生まれない。人とチーターが短距離競争しても、無意味なのと同じだ。そう考えると、人には多様な素質がある。ただ、ペーパーテストの点数だけで評価する受験などは、適性を評価する物差しとして正しいのだろうかと思う。個々の才能をリスペクトする社会基盤というか、文化が必要な気がする。将棋の話に戻るが、木村王位の失敗は、封じ手を「2三銀」ではなく「2三歩」としたことから始まっていたという。藤井棋聖の攻めを警戒するあまり、中途半端に守り一辺倒の手を選択し、作戦でも後れを取ってしまったことだ。「百折不撓(幾度失敗しても志をまげないこと)」を信条とする木村王位にとって、この敗因のショックは大きかったようだ。局後の感想戦でも、絞り出す声には落胆の色がありありと見えた。次回も藤井棋聖が勝利して、早期に二冠達成して最年少八段を決めて頂きたい。

|

« 都合の良い時だけの自由主義経済 | トップページ | 空室率の上昇でキャシュフローが不足 »

将棋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 都合の良い時だけの自由主義経済 | トップページ | 空室率の上昇でキャシュフローが不足 »