高価なカメラと巨大なレンズを買う層はいない
フルサイズミラーレス一眼市場で、キヤノンが新製品「EOS R5」「EOS R6」の2機種を発表、ニコンも「Z5」を発表した。一方、6割のシェアでトップを走るソニーは、新製品「α7sIII」の発表する予定。「α7sII」発表以来、噂には何度も出た機種だ。愚生も「α7sIII」の発売を見越して、昨年ヤフオクで「α7sII」を売却しておいてよかった。レンズ交換型カメラは、ミラーレス一眼の高価格帯がフルサイズモデルの主戦場となってきた。それは、プリズム形式の一眼レフが落ち込み、ミラーレス一眼の比率が7割に迫ってきたからだ。ソニーの強さの根源は、これまで投入した機種のラインアップの厚さだろう。6月に販売された同社のフルサイズミラーレス一眼は、全部で11モデルもある。キヤノンの3モデル、ニコンの2モデルに比べれば圧倒的に多い。愚生も2013年11月に、「α7」の発売日に予約購入した。やはり、35ミリフィルムに慣れた愚生には、フルサイズミラーレス一眼が親しみがある。APS-Cでは焦点距離と画角の感覚がつかめない。ソニーは先行した強みで、レンズのバリエーションが多い。これまで、一眼レフの2強(キヤノン、ニコン)は、マウントを使ってユーザーを囲い込んできた。しかし、ミラーレス化により攻守交替で、今度はキヤノンとニコがソニーに挑むことになる。昨年、キヤノンが低価格モデルから、ニコンが高級モデルから市場に投入した。これまでは、キヤノンは販売台数の90.7%が20万円未満の低価格機種で、20万円以上の高機能・高価格帯に大きな穴が開いている。ニコンは、逆に20万円未満の低価格モデルがないため、販売台数が伸びない。そこで、キヤノンは高機能・高価格帯の穴をふさぐ戦略にR5、R6を投入する。一方、ニコンはこれまで、高価格帯2モデル展開してきたが、Z5という16万6000円の機種を販売する。レンズを同梱したレンズキットでも実売で20万を切る。しかし、武漢ウイルスの感染拡大で、旅行や遠出が激減する中、状況を激変させるまでのインパクトには欠けるだろう。根本的問題として、フルサイズミラーレス一眼の位置づけもある。レンズ交換型デジカメの中で、フルサイズミラーレスの販売台数は、過去一度も9%を超えたことがない。販売金額でもピークは20.1%にとどまる。やはり、カメラもレンズもまだまだ大きく、重いからだろう。愚生も結局、フルサイズのミラーレス一眼は、ボディもレンズもヤフオクで売払った。そして、いま手持ちのカメラはフルサイズミラーレス35ミリ単焦点のRX1とRX100M5を使用している。今回の武漢ウイルスの感染拡大で、最も大きな打撃を受けたのはレンズ交換型デジタルカメラだ。その中でも、さらに最も大きな打撃を受けたのがフルサイズのミラーレス一眼だった。4月の前年同月比がなんと19.8%、5月も19.3%と実に8割を超えるマイナスになっている。スマホで都合が悪い時以外は、ミラーレスカメラは使用しない。大きさ、重さのあるものを担いで、旅行に行く気にはなれない。高価なカメラと巨大なレンズを喜んで買う層は、それらを若い頃に買いたかった団塊の世代だけだろうか。
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