対価を払って、それなりの場所で処理すべき
性暴力被害を訴えたジャーナリストの伊藤詩織さん(31)は、名誉をけられたとして、自民党の杉田水脈衆院議員と大沢昇平・元東大大学院特任准教授に慰謝料など計330万円と投稿の削除を求め、東京地裁に提訴した。愚生は伊藤詩織さんを、元TBS記者の山口敬之氏から性暴力被害を受けたとして東京地裁に提訴したことで覚えている。経緯は2015年、自身の就職やアメリカの就労ビザについて相談するために、当時TBSテレビの政治部記者の山口敬之と都内で会食した。元山口記者は、ワシントン支局長という立場であったから縁故入社を裁量するくらいの地位の人物だったのだろう。山口氏と詩織さんは、深夜から早朝にかけて飲酒した。そして、記憶を失いホテルで乱暴されたと警視庁へ被害届を提出した。2016年7月に東京地方検察庁は、嫌疑不十分で不起訴とした。その後、詩織さんは2017年5月に検察審査会へ審査を申し立てた。しかし、2017年9月に検察審査会は「不起訴相当」と議決した。検察も検察審査会も、詩織さんの訴える準暴行罪を不起訴処分とした。再度の民事訴訟では、詩織さんは山口氏に「望まない性行為で精神的苦痛を受けた」として1100万円の損害賠償を求めた。その後、手記を出版して、日本外国特派員協会で会見した。山口氏は、手記「私を訴えた伊藤詩織さんへ」を発表し、伊藤の主張を全面的に否定した。逆に、2019年2月に「伊藤さんの記者会見での発言などで社会的信用を奪われた」として慰謝料1億3000万円と謝罪広告の掲載を求めて反訴した。結局、裁判は山口、伊藤の双方の訴えを同時に審理し、2019年12月18日に伊藤の請求を認めて330万円の支払いを山口に命じた。その後、山口氏は高等裁判所に控訴している。そして、この事件に関して詩織さんは、杉田水脈衆議院議員とDaisy社長の大澤昇平氏に名誉を毀損されたと訴えた。損害賠償額は、約220万円(杉田氏)、約110万円(大澤氏)で東京地方裁判所に提訴した。また、詩織さんは、イラストレーターの、はすみとしこ氏らに対しても同様に、SNS上で受けた誹謗中傷への損害賠償を求めて提訴している。それは、英BBCの番組で「伊藤さんがうその主張をし、山口さんや家族に誹謗中傷が殺到した」と発言したことからだ。ツイッターでも杉田氏は「男性のベッドに半裸で潜り込む様な事をする女性」と批判した上、「ハニートラップを仕掛けた」などの第三者の書き込みに、賛同を示す「いいね」を押したという。大沢氏については、伊藤さんが今年6月に漫画家はすみとしこ氏を訴えた訴訟に関し「男にとって敵でしかない」などとツイッターに投稿したからだ。どうも、伊藤詩織さんへの中傷が訴訟連発の真相のようだ。ここではっきりしていることは、「不起訴」となっているため山口氏が犯罪を起こしたわけではないということだ。この事件は、伊藤詩織さんが自身の就職やアメリカの就労ビザについて山口氏に相談したことから始まる。そもそも、縁もゆかりもない山口氏が、傑出した人物でもない伊藤詩織さんに、なぜ便宜を図ったのだろうか。それは、詩織さんが若くて美人だったからだろう。それは双方が分かっていての会食だったのではないか。そう考えれば、伊藤さんに全く落ち度がないとは言えない。しかし、相談を受けた山口氏は、詩織さんを寝とっただけで、その後に就職の世話をしなかったからだろう。伊藤詩織さんがここまで怒るのは、表だって言えないが、山口氏の不誠実さというか、騙してタダ寝したからだろう。そして、これは氷山の一角なのだろう。その結果、世間から山口氏が、社会的な懲罰を受けたことは当然だ。民事裁判で、賠償額が裁定されたという事は、裁判長も山口氏の腹の底を見抜いているからだろう。そういう面では、民事裁判の判決は大岡裁きだと思う。愚生は、この問題の本質は寝たにも関わらず、山口氏が詩織さんに良い就職先を斡旋しなかったことが原因だと思う。そう考えれば、代償を払わないことで、大きな社会的な損失を被った山口氏の自業自得だと思う。若くて美人を寝取れるほど、山口氏が魅力的な男性なのだろうかと言えば理解できるだろう。やはり、対価を払って、それなりの場所で処理すべきことだと思う。
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