« 希望者全員にプレゼントすべきだ | トップページ | 金融資産にならものは資産ではない »

2020年10月23日 (金)

築古になれば価値は下がる

Largec39ee668e70e4c69d4dd57b0abcedb8b
武漢ウイルス感染拡大禍で中部地方の不動産市場も変動が出ているようだ。景気後退からか、超一等地の名古屋駅前でさえ空室が出始めたという。名古屋駅に面し、東京駅でいう丸ビルのようなビルまで空室募集が出ている。一方、高級住宅や物流施設の取得は活況で人気資産の二極化が鮮明になってきた。名古屋中心部のビジネス街では、オフィス空室率が9月に3.05%と5カ月連続で上昇した。上昇期間は約10年半ぶりの長さだという。武漢ウイルス感染拡大で業績が悪化したり、テレワークをすすめたりした企業が事務所を縮小する動きに歯止めが掛からないらしい。今回の場合、一等地ほど空室率の上昇が目立つ。名古屋駅地区の空室率は3.53%とわずか1年3カ月で3倍以上に跳ね上がった。しかし、駅周辺の賃料は、まだ他の場所より3~4割高いという。どうもビルオーナーが強気なことも、空室が出ても次の成約につながりにくい理由らしい。しかし、環境が厳しい商業系は、7月1日時点の基準地価によると下落率が1年で9%と、商業地の全国平均(0.3%)より厳しい。訪日外国人の消失もあり、都市部の商業施設が軒並み停滞しているからだ。名古屋では、不動産仲介業者などに聞き取り調査したところ、「武漢ウイルス感染拡大の悪影響はない」という回答はオフィスで15%、マンションは45%だった。ただ、長期で資産価値をみる富裕層は武漢ウイルス感染拡大でも動じないため高額物件は成約が早いという。愚生の私見だが、都心の一等地は希少性から今後も高止まりだろう。しかし、少子高齢化や築古物件がいつまでも値を保つとは思えない。住宅としてRCマンションや団地ができ始めたのは1970年頃からだ。土地バブルを経験した愚生には、その後に分譲価格の何倍もの価格で取引されていたことを思い出す。その頃は、団塊の世代が家庭を持つために住宅取得に走った時期に重なる。しかし、それは都市化が進み住宅不足だった異常事態の時期だ。今はデフレ下で、地方や郊外では30年に亘り地価が下がっている。分譲価格から減価償却を除いた残存簿価というか、築古になれば車や家電と同様に価値は下がる。土地が下がっているうえに、建物も古くなれば価値が下がるのは当然だ。実需の少ない地方都市なら、二束三文でも買い手はつかない。そう考えると、不動産価格は持主の価格から大きく取引価格が乖離している。価値もない物を、後生大事に持っていて固定資産税を払うだけなら早期に売却すべきだろう。

|

« 希望者全員にプレゼントすべきだ | トップページ | 金融資産にならものは資産ではない »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 希望者全員にプレゼントすべきだ | トップページ | 金融資産にならものは資産ではない »