カトリックは仏教と同様に香を焚く
愚生宅のロシアンブルーが3日未明に逝った。数日たつが、未だに猫の存在感の大きさが身に染みる。供養後の骨壺があるから、傍にいるような気もするが話しかけても応えてくれない。何かアクションを起こすとすれば、香を焚くことぐらいだ。愚生宅は、宗教がカトリックなので、仏教と同様に香を焚く習慣はある。一方、聖書中心主義のプロテスタント教会に属していた頃は会堂で香は焚かない。新旧聖書を読めば、いたるところで香油や乳香という言葉がある。幼子イエスが誕生した時に、東方の占星術の学者が贈り物として捧げた宝物に乳香がある。また、ヨハネによる福音書にも、イエスがベタニアで「マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。」などという記述もある。愚生が属するカトリック教会では、聖書に倣って記念行事のミサなどでは司祭が献香のために香炉を振る。仏教でも同様だろうが、香りや煙が祭壇から、そのまま天国に上っていく感じがする。愚生は猫に話しかける代わりに、骨壷を前に香を焚く。何か気持ちが通し合える気がする。これまで墓参りに行っても、先祖に対してそういう気持ちになったことはなかった。愚生はM市に越して30年近くになる。その間、犬と猫を通算で27年間も飼っていたことになる。思い出せばマンション暮らしだった時も、セキセイインコや金魚を飼っていたから、何かしら動物を飼っていた人生だ。息子たちが家を去ってからは、ロシアンブルーが唯一の子宝だったため、余計に存在感が大きかった。香を間断なく焚いたため、家にあったものはすぐになくなった。そこで、アマゾンジャパンで焚きやすい香を買うことにした。日本式線香より大粒でカトリックの香炉に入れるものを探した。ところで、一般的に飼われている猫は、野生のヤマネコが家畜化したものだという。世界の猫計979匹をサンプルとしたミトコンドリアDNAの解析結果によれば、猫の祖先は約13万1,000年前に中東の砂漠などに生息していた「リビアヤマネコ」だそうだ。5000年ほど前のエジプトの絵画に、猫が人間と暮らす様子が描かれている。当時のエジプトでは、ナイル川流域の肥沃な農地から収穫した穀物を倉庫に蓄えていた。それをネズミから守るために猫を飼っていたという説が有力だ。
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