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2020年11月27日 (金)

小早川氏が提案する1リーグ制

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愚生は今年の日本シリーズを観戦してセ・パのリーグ格差が広がっていると思った。これは愚生に限らず、多くの野球ファンが思っているだろう。なぜなら、最近10年の日本シリーズでパのチームが9度制覇した。うちソフトバンクが7度の日本一に輝いている。パが実力でセを完全に凌駕していることは、勝敗からも周知の事実だろう。その大きな要因となっているのが、ドラフト戦略だといわれる。ソフトバンクのスタメンには育成出身が4人(千賀、甲斐、周東、牧原)もいた。一方、巨人はスタメンに育成出身は松原だけだ。どうも、スカウティングや育成の違いがあるという。ソフトバンクは強い体でバットを強く振れる選手や強肩・快足などの一芸に秀でた選手を獲ってきた。パ・リーグはDH制があるため、野手はスケール感の大きな打者をどんどん獲る。投手についても、そういう打者に対抗できるボールの強さを持つ選手を獲る傾向が顕著だ。巨人が主張した希望枠は、2007年に廃止されたため選手獲得の不均衡は解消されている。今のメンバーで、巨人志望で浪人をしたのは菅野だけだ。それも菅野の母親が巨人・原監督の妹という親類関係だった。そのため、菅野の希望というより、故人になった爺さんの意志で浪人したようだ。そのため、2007年からはドラフトで巨人優位という構図はない。パのスカウトは「DH制のパは守備に目をつむって打力優先で獲得できる。セは守れることが大前提。守備力が優先になる」と指摘する。要するに、投打にパワー系の選手を優先するパと、攻守の総合力で選手を獲得するセという構図だ。その結果が、ここ10年間のリーグ格差を生んだのだろうか。選手として広島で3度、ヤクルトで1度日本シリーズに出場した小早川毅彦氏はセ、パ両リーグの実力差が言われる中、1リーグ制の導入を提案する。最高峰の戦いの位置づけのはずが、ソフトバンクは2018年(対広島)の第3戦から12連勝だ。そう考えると、23日に発表された沢村賞などの選考は問題だ。何故なら、セの大野雄が初受賞したが、数字だけしか比較していないからだ。パのタイトルホルダーであるソフトバンクの千賀やオリックスの山本は、レベルが高いパ・リーグで残した数字であることが考慮されていない。極端な話、メジャーリーグとNLBの数値比較など意味はないのと同様だ。さらに小早川氏は、ファンからすれば「こんなに実力差があるのに、なぜセの試合にパの試合と同じような料金を払わなければならないの?」との文句まで出るという。しかし、好きな球団を応援するのだから、愚生はそこまで言う気はない。巨人・原監督は昨年から、パと同じDH制の採用を提唱している。単純に打線は強力になり、相手にする投手のレベルも上がるだろう。リードされた状況で投手に打順が回ってきて代打ということはなくなるからだ。メジャーリーグに行って、活躍した先発投手をみれば、パ出身では、ダルビッシュ、田中将大、松坂大輔、野茂英雄、大谷翔平、岩隈久志、菊池雄星などの名が浮かぶ。セでは、前田健太や黒田博樹くらいだろうか。ノーヒットノーランを記録した野茂や岩隈を考えれば、活躍度では圧倒的にパ出身の投手陣だ。小早川氏が提案する1リーグは、12球団を4つずつ東、中、西の3地区に分け、対戦は12球団総当たり。ポストシーズンには各地区を制した3球団と、2位以下の勝率上位2球団によるワイルドカードゲーム勝者の計4球団が進出するというものだ。米大リーグのリーグ優勝決定シリーズに似ている。ルールは、全試合でDH制を採用し、全球団総当たりだそうだ。面白いと思うが、過去に勝手な要求をしてきた巨人が納得するだろうか。

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